今月半ば。
博多の興奮冷めやらぬまま、
帰省した自分はそそくさと映画館へ。
そう。お目当ては、シネマ歌舞伎
『アテルイ阿弖流為』！！
Blu-rayで観ていても、
スクリーンで観られる時は何度でも観たい！
阿弖流為。蝦夷の族長。北の狼。
坂上田村麻呂。征夷大将軍。都の虎。
敵対する立場にありつつも、
お互いを認めあう、熱い魂をもつ二人の男、
いや、漢(←使いたかっただけ)の物語。
阿弖流為・幸四郎。
クール・"ワイルド"・ビューティーな
アテルイ様よ！！
両刃の剣をふるうお姿、最高にかっこよし！
愛する女・鈴鹿を守るため、
神アラハバキの使いを殺す
という禁忌を犯し追放の身になる。
蝦夷の危機に、その罪を許され、
蝦夷の族長として帝人軍を迎え撃つ。
もうアラハバキとか、
その設定にワクワク。
田村麻呂・勘九郎。
武勇に優れ、若くして人望の厚い彼は、
叔父である右大臣藤原稀継・彌十郎に
蝦夷討伐のため征夷大将軍を任命される。
田村麻呂の男気が、
勘九郎の熱い芝居が、心を打つ。
阿弖流為との立回りが迫力満点で釘付けに！
いやもう、身体能力の高さよ！
黒縄・橘太郎とのやりとりに、
ヤキモキさせられたり、笑わされたり。
都を騒がす盗賊の首領・立烏帽子に七之助。
実はアラハバキ。
『桜の森の…』でもそうだったけれど、
人ならざる者を演じる時の七之助は、
本当に神がかっていて怖いくらい…凄い。
いや、神なんだけども。
正体を現してからの立烏帽子の、
アラハバキの思いの丈の激しさに、
ひたすら見入ってしまった。ゾクっときた！
神は、人に祀られてこその神だものね。
心優しい鈴鹿との演じ分けがお見事。
生き意地の汚い男、蛮甲・亀蔵。
"生き意地が汚い"ってすごい言葉。
でも、これってきっと人間の本能そのもの。
蝦夷のために、都のため、帝のためにと
命を落とさなければならない異常な状況。
そんな中で、蛮甲は一番正直で
一番真っ当なのかもしれない。
そんな彼が最後に阿弖流為を助けたのは、
嫁・熊子(🐻♡)のためか、
やはり蝦夷としての誇りが残っていたからか。
守ろうとした"帝"という存在とは。
しかもこの物語では実体がない。
日本の歴史おける"帝""天皇"という、
特殊でいて特異な存在であることを
改めて興味深く思う。
さて、物語のクライマックス。
いよいよ首を跳ねられようというその時に
蛮甲に縄を解かれ、
「鬼は人の道理では動かない！」と、
稀継を殺した阿弖流為。
自らを"悪しき鬼、姦しき鬼"と言い、
「我が名は悪路王、阿弖流為！
北天の戦神なり！」と名乗り、覚醒。
渾身の六方で去っていく様は
まさに"鬼"であった。
………ふがぁ！
スクリーンで観れて良かった(泣)！
か、か、か、
かっこよすぎて失神してまうやろ～♡♡
本気出した田村麻呂と最後の勝負。
田村麻呂に討たれることを選んだ、
阿弖流為の覚悟。
「これ以上蝦夷に手を出す時は、
俺は祟り神となる！
アラハバキと悪路王、
二つの祟り神となって、この都を襲う！」
出た！祟り神！いっちゃん怖いやつ！
時の為政者がいっちゃん畏れるやつ！
それを受けた田村麻呂の覚悟。
史実とうまいこと繋げたラスト！
いや～面白かった！！
最後のねぶたに心癒された♡
いつか本物を見に行きたい！
ラッセラ～、ラッセラ～♪
歌舞伎的見せ場は要所要所に盛り沢山。
二つの花道も効果的に使われていたし。
随鏡・宗之助にも突っ込まれていた(笑)、
阿弖流為と田村麻呂が大見得する様は
ホントに気持ち良さそうで…。
サガだもんね！
新感線的なお笑いもあり、で大満足。
ラッセラ～、ラッセラ～♪が
頭から離れなくなるぅ♪
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あっ、もちろん円盤には円盤の良さがあり、
特典にメイキングあり。
稽古の様子が収録されているので、是非！
どこか香港のアクションスター感のある
幸四郎に胸キュン。
ヴィジュアル撮影風景も皆様かっこ良し！