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あれから10年―
どこのチャンネルも東日本大震災一色だ。
被災県の岩手ではなおさらのこと。
数日前、おとんが津波の番組に同級生が映ってるから見ようと。
ああ、あれか。見たよ。何度も見たじゃん。
途中まで見てたら、体中が痛んで耐えられなかったから、部屋を出た。
よく出るこの写真、岩手県宮古市の閉伊川を遡る津波だ。
おとんの実家は ここから直線距離で100mの住宅地にある。
もちろん、浸水した。
泥の掻き出しにも行ったよね。
私も実家は気仙沼なんよ。
直接、被災したわけじゃないけど、打ちのめされる想いを共有した。
全てを失った遠縁、救出されるまで一昼夜、海水に浸かっていた従妹、
同級生は流されたまま、帰らぬ人になった。
何かのキャンペーンのように取り上げる不愉快なマスコミ。
追悼というよりも、「ネタが出来て助かった感」がにじみ出てる。
せめて この日だけは、静かにして欲しい。
そういう人もいるのだよ。
