一日中、
晴れたり 降ったり 曇ったり…
夕方、用足しついでに 小岩井農場を通る

小岩井農場といっても 牧草地や圃場、山林とさまざま
ここは地元の人しか通らない 秘密の場所

宮沢賢治も この風景を こよなく愛した

こんな ありふれた花を 撮る人なんて いないだろうな

いつもの自分だって 見向きもしないだろうに
最後の光が 降り注がれた 野の草が まぶしかった

一日中、ここにたたずんで
森羅万象の移り変わりを 眺めていられたら

こんな ちっぽけな レンズつきの小箱には
収めることは 出来ないから
しっかりと 心の眼に 焼き付けておこう

夕日を 右頬に感じながら走り出すと
風は もう 冷たかった