政治家~宮澤賢治詩集「春と修羅」より | ブドリの森

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                        「政治家」 作品第1053番 
 


 
 
                           あっちもこっちも
        
                           ひとさわぎおこして
 
                           いっぱい呑みたいやつらばかりだ
 
     羊歯(シダ)の葉と雲
 
                  世界はそんなにつめたく暗い
 
 
 
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                             けれどもまもなく
 
                             そういうやつらは
 
                             ひとりで腐って
 
                             ひとりで雨に流される
              
 
 
 
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                       あとはしんとした青い羊歯ばかり
 
                       そしてそれが人間の石炭紀であったと
 
                       どこかの透明な
 
                       地質学者が記録するであろう
 
 
                                            宮澤賢治 詩集 「春と修羅」 第三集 
                                                             1927・5・3
                            

 
 
今から84年前、宮澤賢治は 当時の政治家を このような辛辣な言葉で 風刺しています。
 
人間の『石炭紀』は はたして いつまで続くのでしょうか。