近年は引きこもりがちで、周囲に対し「自分は価値のない人間だ。自由に生きたい。それが許されないのなら死にたい」などと話していたという。

岡崎市で同居していた伯父によると、小島容疑者は同県一宮市出身。


中学2年生のころ、「授業についていけない」などの理由で不登校になり、両親との折り合いも悪くなった。

両親と住んでいた一宮市の実家を出て、県内の生活困窮者の支援施設で約5年間暮らした。

施設代表の男性によると、小島容疑者は施設から定時制高校に3年通い、卒業後は名古屋市内で1年間職業訓練を受けた。

施設での問題行動はなく、「本来4年かかるのを3年で卒業」するほど高校の成績も良かった。

男性は「ごく普通の青年に育ち、立派な社会人として送り出せたと思っていた。

何でこんな事を起こしたのか」と肩を落とした。

職業訓練を終え機械修理会社に就職し、施設を出て埼玉、愛媛県で働いたものの人間関係を理由に退職。

2016年4月ごろから、岡崎市で伯父と祖母と同居するようになった。

「2階の部屋に引きこもり、パソコンでインターネットをすることが多かった」という。

両親との不仲は続き昨年10月、祖母の養子となった。

だが今年1月、「旅に出る」と言い残し、伯父にも祖母にも行方を告げず、自転車に乗って出て行った。

祖母が携帯電話に連絡した時、電話はつながったが、小島容疑者は居場所を明かさなかった。

伯父は「人に危害を加えることはなかった。事件を起こしたことが信じられない」と話す。祖母は「おとなしく静かな子だった。


自分を否定することが多く、人間関係に悩んでいた」と打ち明け、疲れ切った表情を見せる。


一宮市に住む実父は、最後に小島容疑者と会ったのは2、3年前だといい、「施設に入ってからほとんど会話をしていない。


取り返しのつかない事をした彼がどう償っていくか見守っていきたい」と述べた。



危険物対策に限界2015年6月に走行中の東海道新幹線車内で起きた焼身自殺を機に、鉄道各社では車内防犯カメラの設置など、安全対策を進めている。


だが、利用者の数が多いことから、手荷物検査など根本的な危険物の持ち込み対策に乗り出せないのが実情だ。15年の焼身自殺は、新幹線で初の列車火災事故と認定された。


鉄道各社は16年4月、ガソリンなどの可燃性液体の持ち込みを禁止。鉄道営業法に基づき、不審な乗客には手荷物検査を実施、ガソリンなどが見つかれば下車させることにした。


東海道新幹線では、客室やデッキ部分の防犯カメラを増設。常時録画をするほか、火災発生に備え、防煙用のマスクなどを常備している。


だが、列車の発着が頻繁で複数の乗降口がある新幹線の場合、危険物の持ち込みを防ぐのは容易ではない。


16年5月には、東海道新幹線のぞみの車内で、かばんに刃物をしのばせていた男を取り押さえる際、車掌が軽傷を負う事件が起きている。