毎度 ご確認いただき誠に有難うございます。
本日は採集家目線での産卵木の選び方について書いてみようと思います。
生き虫屋の仕事は大きく分けて
採る・作るか・仕入れる
この三つが主な仕事となります。
国産種については、当店のような『個体や産地の信憑性』に重きを置いている店では信用出来る人で実際に山に入っている採集家から仕入れるか、自身で山に入って採集した個体が殆んどです。
では 実際に山に入って、何も採れませんでした…
数が採れませんでした…では話になりません。
当然 狙った種の収穫、それに付随する種を必要分 採集しなくてはならないのですが、無闇に立ち枯れや倒木を触るわけではありません。
ご覧の通り、様々な場所へ行き各種採集しておりますが、幼虫の入っている材に綺麗は材は殆んどありません。
ヒメオオクワガタはブナの硬い材でしか採った事はありませんが、その他の種はクヌギ・ナラをはじめ、カシ・柿の木・桜・シイ、その他よく分からない木からも採れています。
重要なのは『朽ち方(腐朽度合い)』『水分量』だと思います。
腐朽度合いは柔らかさに直結しますので、柔らかさ重視で産卵木を選ばれるのは半分正解だと思います。
キノコを採りきって菌がヘタっていれば多少硬かろうが、見栄えが悪かろうが、クワガタは産卵する為の材として認識すると思います。
店舗でお客様に産卵木を選んでもらっていると、黒っぽいシミが入っている材や形が歪なコブ付きの材を避ける方が多いのですが、特に枝を切り払った後のコブ付き材はクワガタが好んで産卵する傾向にあります。
これは材産み種の割り出し作業で
割り出しにくい場所=幼虫が安全に育つ場所として♀が選んでいる事にお気付きの方も多いかと思います。
そして次に断面に汚れや黒いシミがある材を避ける方も多いようです。
これは昆虫業界ではタイガーストライプ材とよばれているようですが、正しくはスポルテッドウッドとして広く知られているもので、樹木に何らかの理由で樹皮に傷がつき、そこから雑菌や雨水が染み込み広がって腐朽菌となったものです。
見た目は綺麗ではありませんが、要は腐朽菌ですので材を軟化させる役割もございます。
そしてカットする箇所が1センチずれていればシミのない綺麗な材、という事も多々あります。
このように材のカット面にある黒いシミがあったとしても、産卵木としての品質に何ら変わらない事が殆んどなのです。
そして最後にカットされた面を見て、硬そう・柔らかそうと見た目で想像する事がありますが、材をカットした経験がある方なら分かる現象。
■丸鋸の新しい刃でカットすればスパッと切れるので硬そうな印象を与えます。
■使い込んだ丸鋸の刃でカットすれば断面が荒くなり、柔らかそうな材に見えます。
これらの事を踏まえた上で、ブリードする種に合った材を選ぶ必要がございます。
当店ではマット産みしか公開しておりませんでしたが、モンパオオクワやチリハネナシクワガタも柔らかめのベトナム材を使用し、ブリード成功しております。
※チリハネナシはグズグズのクヌギにも産卵
即使える柔らか材~バクテリア材の仕込み用の良質のVN材はまだまだストッておりますので、ご入り用の方はお問い合わせください!
☆通販OK☆
在庫・販売個体については
お気軽にお問い合わせください
OBJ京都/時しらず
京都府城陽市久世北垣内10-2
090-8570-0354
営業時間13時00分~20時00分
※日中ブリードルームにて作業している事がございますので、お手数ですがご来店前にお電話いただければ確実です。
宜しくお願いします。