夏が |  阿古・二本の虹 第2章

 阿古・二本の虹 第2章

滝の中に洞窟がある。

滝の外側から落ちてくる水に限りなく近づいたとき、砕け散る小さな水玉に二本の虹は見えた。

[ 鞠子 ]


「夏が・・・」

「どこへ?」

「見えないとこ」

「風が・・・」

「どこから?」

「見えないとこから」


「木精、泣いているわ」

「ミルク作らなくちゃ」

「阿古のおっぱい出ないの?」

「そう、保育器に入ったときから母子は隔離されてしまって、止まったというか止めたというかどちらかよ。

私作ってくるから、塔子、ちゃんとあやしていてね」