【フィンガー・ノイズ】※追記あり

　ただいまフィンガー・ノイズと大絶賛格闘中！！（笑）

　フィンガー・ノイズって言うのは、指板を押さえている左指がポジションを移動する時に指が弦に擦れて「キュッ」となる音の事で、「弦鳴り（げんなり）」とか「弦鳴き（げんなき）」とかとも言われたりする。

　この音がギターの醍醐味のひとつとして好きな音色だと言う人が多いんだけど、オイラの場合は演奏法の問題からフィンガー・ノイズが多い傾向にあるんだよ。

　弦楽器の多くは左手で指板を押さえ、右手で弾いて音を出すんだけど、開放弦（左指で押さえずに出る音）でない限り押さえている左指を指板から離したり弛めてしまうとと音が止まってしまう。。

　弦楽器初心者の場合、出す音は楽譜通りに出ていても途中で音が止まってしまって楽譜通りの長さが保てていない場合が多く、フレーズが細切れになってしまってる事に気がついてないケースも多いように思うんだよね。

　それを回避するには楽譜通りの長さまで左指を指板から弛めたり離さない事なんだけど、意外とこれが難しい（笑）

　オイラの演奏は甘くて分厚い音色が特徴だと言ってくださる方が多いのだけど、それは左指のグリップ（握り）をしっかりする事で弦の振動の安定させる事と、音を出した後に左指を揺らす事で出せるビブラートの効果がハッキリと出せる事だと思ってるんだよ。。

　でも、その音色出すために次のフレーズに移るギリギリまで左指をポジションに残すので、弦から指が移動する時のスピードを速くする必要があり、その衝撃も大きくてフィンガー・ノイズが発生しやすい。

　元々は小さな音なんだけど、良く鳴るギターほどボディに振動してして、指板のあるネックだけでなく、楽器全体から大きくノイズが発生してしまう。

　また、奏法だけではなく実はフィンガー・ノイズの原因はギター弦にもあるんだよね。

　ギターの低音弦は巻き線（ワウンド弦）になっていて（鉄線弦は3 4 5 6弦ナイロン弦は4 5 6弦）、鉄線の場合はプレーン弦に細いワイヤーが巻き付けられていて、ナイロン弦は細いナイロンの束に銅線が巻き付けてある。

　この巻き付けられたワイヤーの断面がデコボコになっていて、この断面の上を左指で移動する時に擦れてフィンガー・ノイズが発生するんだよ。。

鉄線の１・２弦はシンプルな鉄線でプレーン弦って言うよ

（エレキギター弦は3弦もプレーン弦だよ）

ナイロン弦の低音弦

　なので、指板から指を離すタイミングであるとか指の力の弛め方やギターを構える角度などを工夫する事も技術なんだけど、曲によってはそれも難しい事があるんだよ。。

　でも、ありがたい事にこのフィンガー・ノイズを抑える弦（フラットワウンド弦）ってのがあって、通常は巻いてある丸いワイヤーを、平べったい薄いリボン状のワイヤーを巻き付ける事で弦の表面がフラットになり指との摩擦を軽減する作用がある。

通常弦とフラットワウンド弦の違い

　フラットワウンド弦はベース弦ではすでにポピュラーみたいだし、ジャズギタリストさんは好んで使っているようなんだけど、オイラはフラットワウンドではないけど比較的フィンガー・ノイズを抑えるエリクサーと言うメーカーを使っているけど、残念ながらナイロン弦（クラシックギター弦）ではそのような製品は作られていないんだよね。。

　現在制作中の自主映画の音楽でナイロン弦での楽曲を作っているところなんだけど、その曲の試し録音で冒頭で書いたフィンガー・ノイズと大絶賛格闘中のお話しでしたとさ☆彡（笑）

※ここから追記
フィンガー・ノイズ軽減にもうひとつ対策がありまする。。

急ぎの録音がある時は、洗面台にぬるま湯を張り左手首から先を浸して指先を柔らかくしてから演奏するとかなりノイズが軽減されるのですが、指先が削り取られる感じになるので緊急対策としての方法です。
　お湯に滑りの効果アップを兼ねて入浴剤（バスクリンきき湯）使ったりしています。