ず~~~っと昔の話。。
オイラが音響会社を立ち上げる前、大手の舞台制作会社の手伝いで音響スタッフとして、数か所の公共ホールに出向しておりました。
何回か出入りしている内に、仕事ぶりや技術・知識を気に入ってくださってホールから名指しで発注をいただき、半専属として音響室に就く事になりました。
ある日、ホールに新しい新卒の女性事務員さんが配置され、仕事やスタッフに慣れてお互いの遠慮も薄らいだ頃、休憩時間にたわいもない話をしておりました。
その新しい事務員さんが「私は怖い話が好きで、ホラー映画を好んで見に行く」って事だったので、こんな話をしてあげたんだよ。。
「このホールには有名な話があって、このホールが建設されて1年が過ぎようとしていた頃、そのホールで ある劇団が公演を予定をしていた。
その劇団には看板女優がいて、演技力が素晴らしい上にすごい美貌の持ち主。。
地元以外でも注目を浴びだしていて、噂を聞いた東京の数社の劇団のスカウトが、その女優の実力を観に来るという話も世間の知る事となった。
その事もあって、その女優は更に舞台に命を懸けるように稽古に勤しみ、まるで命を削るように舞台に立つ姿に同胞の劇団員たちですら簡単に声をかける事が出来ないほど気迫に満ちていた。
しかし、本番を目前としたある日、ひとりで稽古を終えてフラフラになりながらホールを出た女優は、やってきたオートバイに気が付かず跳ね飛ばされてしまった。
オートバイの運転手は一瞬躊躇ったがそのまま闇の中に立ち去ってしまった。
そのまま朝まで誰も気が付いてやる事はできず、出社してきたホールの警備員が彼女を見つけた時には もうすでに冷たくなってしまっていた。
看板女優を失った劇団はやむなく公演を中止し、やがて解散する事になってしまい団員たちは散り散りになってしまった。
それ以来、毎年 公演日を予定していた前日の夜、『・・・私の出番はまだ・・・?』と、すすり泣く声と共に舞台上を彷徨う女優の声が聞こえてくるんだ」
・・・この話は咄嗟に思いついたオイラの出まかせの作り話だったんだけど、怖い話が好きだって言ってた事務員さんも、自分の職場の身近な話だと思ったせいか本当の話だと信じて泣き出してしまった。。
もちろん、すぐにネタバラシはしたんだけどな~。。(笑)
そんな思い出(笑)のあるホールだけど、やがてオイラが独立して離れて行き、20年ほど経った時にコンサートの音響の仕事で懐かしのホールでオペレートをする事になった。
すでにオイラの知ってる人は皆さん退館されていて見知った方はどなたも居られなかった。
挨拶を済ませた後、当時の担当者さんにホールまで案内を頂いた時、人懐こそうな担当者さん(男性)の表情が悪戯っぽい笑顔に変わってこう言った。。
「このホールには有名な話があるんですよ・・ このホールが建って間がない頃、ある劇団の女優が・・・」
あれ??
どこかで聞いたよーな話。。
ネタバラシをしたにも関わらず、設定やデティールが細かくなって具体的な壮大なストーリーになってたよ。。
結局あの事務員さん、話を盛って語り継いでたんだね。。(笑)
話は変わって 最近、風のウワサでコロナウイルスの感染者の方のその後ってのを聞きました。
誹謗中傷の嵐で、町にも住めなくなって姿を消したと。。
その後で、その当事者の方の近くに住んで人の話で、ウワサはデタラメで普通にご自宅で生活をしておられるとのお話。。
怖いね~。。
発信した本人が覚えていないような話でさえ、悪意があろうと無かろうと、一旦外に飛び出すと別の生き物のように飛び交って、生き続けてるって事が身に沁みたオイラでありましたとさ。。
で、タイトルの「尾ひれはひれ (&はシャレね)」
「尾ひれ はひれ」ってたまに聞くけど、広辞苑には「尾ひれ」は載ってるけど「尾ひれはひれ」ってのは掲載されていないそうですね。。
※「話に尾ひれをつける」=何かと誇張を交えて話すさまなどを意味する表現
川島隆臣YouTube集 vol.1
(2020 5/22更新)
https://ameblo.jp/obiwan-01/entry-12598477027.html
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