143.診療科を越えた連携手術 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

これまで入院中や診察時に、医師から手術に関することをいろいろと聞きました。自分のことだけでなく、他の方のことも聞きました。
そのなかで、印象に残った診療科を越えた連携手術を2つ紹介します。
一つは、四肢にできた肉腫の手術。これは整形外科医が担当して行いました。
事前の検査で場合によっては、血管を繋ぎ直す必要が出てくるかもしれないことが分かっていました。そこで、整形外科医は移植外科医に相談したところ、移植外科医も立ち会いのもとで手術を実施することに。
手術では、結果的に血管を切って繋ぐことはなかったものの、整形外科医は安心して肉腫の切除に集中でき、無事に手術を終えることがてきたというもの。

もうひとつは、前々回の寺岡先生の診察の時に聞いた話です。数年前、熱海病院で実施した脂肪肉腫を切除したときのことです。
患者さんは不幸にも心臓の近い場所に発症していました。さらに、同時に脚にも発症という珍しいケースです。
寺岡先生は、この2ヶ所の手術肉腫を同時に切除することを決断して、心臓に近いところは寺岡先生が担当し、脚の脂肪肉腫は信頼できる同病院の整形外科医に担当してもらいました。
手術は心臓付近と脚の部分を同時進行で行いました。
最終的に見事に成功し、2ヶ所の脂肪肉腫を取り除くことができました。
寺岡先生はその時のことを振り返って「あのときの整形外科医のメスさばきは本当に見事だった。機会があればまた彼と組んでやりたい」としみじみと語っていました。

このように、診療科を越えた連携によって困難な手術を乗り越えることが可能になります。
それにチャレンジする医師がいることは、とても頼もしいことです。