7月23日 (4)
生きること死ぬこと釣堀にて話す 鈴木 鷹夫
長浜 勤
釣堀は納涼の遊びを本意としている。涼しさを求めて釣り糸を垂らすのだが、江戸時代には釣果に応じて換金するしくみまであったという。掲句は下町の少しさびれた釣堀を想像させよう。子どもたちが帰る夕方になると、人生の半ばを過ぎた人ばかりが残る。名前も知らない顔見知りと話しを交わすこともあるが、誰と話していても最後は「生きること死ぬこと」にいきつく。釣堀という場所も魚の生死にかかわる。 句集『カチカチ山』所収 季語【釣堀】