おび内科・漢方クリニックのブログ -34ページ目

    おび内科・漢方クリニックのブログ

       鎌倉で内科、漢方、胃カメラ、大腸カメラのクリニックをしています。診療の合間につれづれなることを発信していきます。

Q.健診で要精査といわれたのですが、検査費用の負担が大きいです。後回しでもいいですか?

 

A.最近の物価高は大変に家計を苦しめていると思います。

 

私が見る限り、食料品は全般的に数年前の20%アップです。消費税負担も20%アップです。

 

卵10個が200円から240円に値上げされ20%アップ。

 

その消費税は16円から19.2円に20%増税です。

 

一方で国民の実質賃金は直近で0.4%しか増えていないので、皆さんの家計にゆとりがあるとは到底思えません。

 

2024年10月には首相官邸からお引越しされる方が、就任当時は国民の所得が2倍になるようなお話しをされていたと記憶していますが、現状を見ますと江戸時代に四公六民で年貢を納めていた農民よりも、令和の日本国民の生活は苦しくなっているような気がします。

 

 

このような高負担&低福祉に向かう日本で、精密検査が必要でも、医療費の負担が重く、受診をためらってしまうという方が増えています。

 

心情は痛いほどよくわかります。

 

でも、そのことが逆に将来の負担を大きくしてしまうかもしれません。

 

というのは、早期がんより、進行癌の治療費が10倍高いという試算があるからです。

 

早めに精密検査をうけて早期がんの段階で治療すれば大抵1回の手術で完治し、その後の抗がん剤は不要です。

 

しかし、発見が遅れて進行癌と診断されれば入院、手術、抗がん剤、頻回通院などで年間数百万円の医療費がかかります。

 

幸い、わが国には世界に誇る、「高額療養費制度」があるので、1か月の自己負担額は、その方の収入に応じて、約325万円までと上限が設定されています

 

ちょっと安心ですね。

 

自己負担の上限が8万円の場合、仮に1か月100万円の医療費がかかっても、残りの92万円は保険から支払われます。

 

とはいえ、毎月8万円の医療費を自己負担し、しかも、抗がん剤治療を受けながら、仕事も第一線で精力的にこなすということはとても難しいことです。

 

収入が減ることも覚悟しなくてはなりません。

 

手厚い高額療養費制度を活用しても、進行癌の治療を続けることは、かなりの経済的負担となります。精密検査を後回しにしてしまうと、結果的に、ご自身やご家族のご負担になるということが、ご理解いただけたかと思います

 

 

しかし、話しはこれで終わりではありません。

 

先日、民間の医療保険を取り扱う方に聞いたのですが、保険金の支給条件が、「病気の早期発見、早期治療につながる精密検査を受けた場合に支給される」という方向にシフトしつつあるというのです。

 

背景に政府や保険会社の意向があるそうです。

 

進行癌の方が増えれば国が支出する医療費、保険会社が支払う保険金は増大します。

 

彼らはそれを減らしたいので、早期発見を推奨していると考えれば理解できます。

 

「進行癌と診断されても手厚い医療を提供しましょう」というのが昭和のスタイルだとすると、令和はその逆の方向に向かっています。

 

10月からは先発品の処方を希望する方には別料金で自己負担を求める選定療養費制度が実施されます(ただし、医師が必要と認めた場合は別料金は発生しません)。

 

確実に国民負担が増える方向に向かっています。

 

極論ですが、進行癌と診断されても、早期発見を怠った本人の過失だから、政府も保険会社も関知しないという時代がくるかもしれません。

 

恐怖です。

 

では、どうしたらよいのでしょうか。

 

それは、言うまでもなく、健診を毎年受けて、要精査になったら、速やかに検査をうけ、早期発見・早期治療をする。

 

最小限の負担で健康を保つ。

 

それが唯一の正解だと思います。

 

そして、健康で長く働けることが最大の保険になるはずです。

 

最近の株安ですっかり元気のなくなったNISAより、自分の健康に投資をする事が一番リターンが大きい。

 

改めて、そのことに気づかされた気がします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました薬