おびクリニュース2022年12月号を転載します。

Q.健診で要治療になりましたが、薬を長く飲みたくありません。このまま様子をみてはダメでしょうか？

A． 健診で「要治療」となった場合、かなり緊急性のある異常があると想定されます。

そのままでは危険な状態なので、「要治療」という指示が出たと考えられます。

普通は健診で異常が見つかると、最初に「要精査」がでますが、それを飛ばして「要治療」になったということは、サッカーでいえば一発でレッドカード（退場宣告）を出されている状態です。

決して、そのままにしないでください。

「要精査」と「要治療」は同じような表現ですが、重みが全然違います。

車の運転免許でいうと、「免許停止」が「要精査」だとすれば、「要治療」は免停より罰則が重い「免許取り消し」です。※ちなみに酒酔い運転は一発で「免許取り消し」です。

なお、改めて言うまでもありませんが「要治療」はもちろん、「要精査」もそのままにしないでください。

「要精査」の段階で対処できれば、不幸なことにならずに済むからです。

ここまで、健診で使われる似たような言葉に、大きな違いがあることをお伝えしましたが、ご質問の主旨は薬を長く飲みたくない、という考えが是か非かという所にあります。

長く、巷で論争が続くテーマです。

薬は善か悪かという論点では本質がわからなくなるので、異なる視点から考えてみましょう。

そもそも、何を目的に人間は生きているのでしょうか？

私たちは意識していませんが、すべての生物に共通する、「ある目的」が遺伝子にプログラムされています。

それは、自分の遺伝子をできるだけ長く存続させるという目的です。

人類はヒトという種族が滅亡しないために、食料の生産（農耕・畜産・養殖）、効率の良いエネルギーの確保（炭⇒石炭⇒石油⇒原子力）、病気治療法の確立（天然の薬草⇒合成した薬品）を成し遂げてきました。

それを実現できたのは科学技術の進歩です。

その成果が優れた医薬品を誕生させましたが、同時に武器も生み出しました。

遺伝子のなかに組み込まれたプログラムが薬や武器を作りだしたのです。

薬と武器は使い方を間違えると人を害するという点で似ています。

薬を飲みたくないという悩みは、ちょうど「基本的に武器を使いたくない。しかし侵略に対し丸腰で自分を守れるかどうか分からない」という悩みに近いことがわかります。

現実をみてみましょう。

武器を持たずに国を守れるでしょうか？

それは厳しいですね。

では、強大な武器を持ちさえすれば国を守れるでしょうか？

その副作用として、国民は増税にあえぎ、軍事優先、国民生活は最低となります。

一番、妥当な線はどこでしょうか。

それは、侵略を制止できる最小限の武器をもつことでしょう。

病気の治療でいうならば、進行を制止するために、最小限の薬を使用するということです。

もし、侵略を国境（初期段階）で食い止められなければ、国土（身体）の深いところまで侵攻され、都市（臓器）を破壊しながらの厳しい戦いとなります。

その方が犠牲は大きくなります。

だから、「要精査」の段階（国境＝初期段階）での制止を目指すことが　一番バランスがとれた対策ということに、ご納得いただけたでしょうか。

それだけでなく、武器を使わずに紛争を抑止する、外交という名の食事・生活改善も大事な柱です。

薬を最小限にして健康を守るには、普段から良好な食事・生活（外交）環境をつくる心がけが欠かせません。

国民一人一人が病気の進行を防げば、国の医療費も下がります。すると国家財政に余裕が生まれます。病気のみならず、財務省があざとく虎視眈々と狙う増税も一緒に封じることができたらいいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

おまけ

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