ちこっと懐古録8 最終回 | 帯ひろ志の漫画放浪記Powered by Ameba

ちこっと懐古録8 最終回

月刊少年ジャンプ打ち切りから2年.....。
色々なところで漫画を描かせて頂いて来た。
その時感じたのは、月刊と言えどもジャンプ連載でコミックスもあると言う事実。
これは大変営業に役立った。
名刺代わりにコミックスを持って......まぁ、名刺ももちろん持って行きますが、
要するに話が早いのです。

どこの馬の骨とも解らない人間を信用して仕事を依頼する側は
コイツはちゃんと仕事をするのだろうかと言う不安がある。

それで、月刊ジャンプで連載してました、証拠のコミックスです。
と、見せる訳です。
この威力は中々のものでした。
最初は、打ち切り作家と言う事で、敬遠されるのではと思っていましたが、
厳しいジヤンプの中で連載まで持ち込むのだから、まず根性とやる気は
認めてもらえた様です。
腐らずに連載まで頑張ったご褒美だと思い、有り難くそのブランドを
使わせて頂きました。
そして、また..........。

持ち込み用のネームを描き上げました。
どこに持って行こうか思案している時、友人から電話が掛かって来ました。
エロ漫画誌を紹介してくれた友人です。

持ち込みをしようとしていると知ると、最近チャンピオンで描いたから
編集さんを紹介してやろうかと言う話になったのです。
ここでも横のつながり爆発です(笑)

渡りに船、早速会う事になりました。
秋田書店の向かいにある喫茶店でネームを観て頂ける事に。
ネームを持って持ち込みなんて、この時が初めてでした。
持ち込みと言えば当然完成原稿が当たり前ですから。
そこで、またコミックスの出番です。
ネームと一緒に渡しました。

40分から50分ほど話したでしょうか、ジャンプの時と違い、
ネームの批評を全くと言うほどしてもらえなかったのです。
で、何を話したのかと言えば、世間話(^ ^;

来週あたりにお返事しますと言われ、飯田橋を後にしました。

作品についてあまりしゃべっていないので、なんとも手応えも無く、
こりゃいいようにあしらわれて、帰されたのではないかと家路につきました。

週が明け電話が鳴りました。

帯「あっ、お世話になります」

編「この間のネームですが.............」

帯「は、はい...........ゴクッ」

編「タイトルはなんと言うんでしょうか?」

帯「はい、えーと、ミラクル・ランジェリーです」

編「ミラクル・ランジェリーですね」

編「それで〆切りなんですが、15日までにいただけますか?」

帯「へっ  〆切り?  どういう事でしょうか............読み切り載せて頂けるんでしょうか」

編「いえ、連載をお願いします」

帯「えっ、え----------------------------っ!!」

編「すみません、急遽決まったもので予告カットも載せられないで}

帯「れ、連載なんですか.......?」

編「ダメですか?」

帯「いえ、ありがとう御座います、〆切り、大丈夫です、頑張ります!」

編「それじゃ、宜しくお願いします」ガチャ    ツーツーツー

まるでキツネに摘まれているような1分にも満たない短い電話でした。

ネーム持ち込みから1回の直しも無く、いきなり連載スタート。
こうして「ミラクル・ランジェリー」は始まりました。

運も凄く良かった様です。
実は新連載を立て続けに5本起こしいてる最中で、その最後の1本にボクが
間に合ったのです。

タイミングが悪ければ、こんなにすんなり連載とは行かなかったでしょう。
そして、ジャンプ連載経験が無ければいきなり決まる事も........。

$帯ひろ志の漫画放浪記-ミラクルカバー
そんな分けで、今月11月18日に復刊される「ミラクル・ランジェリー」を
宜しくお願い致します。

宣伝落ちでした(笑)