ちこっと懐古録 | 帯ひろ志の漫画放浪記Powered by Ameba

ちこっと懐古録

最近読者になった「Tenのシナリオ風・日記」」と言う所の脚本、シナリオライターさんのブログ記事が興味深くて面白い。

漫画の世界に興味のある方なら胸に来るものがあるだろう。

ボクももちろん刺激された。

なので、今回から少しだけ時間を巻き戻し、過去話をしてみたいと思う。
あれはデビューして間もない頃.........。

編集部に通う様になり、随分漫画家志望者の友達が増えた。
アシスタントなどに行ってもやっばり若き才能と出会う。
良き友人でもあり、強力なライバルだ。

焦る.......。みんなオレより上手い。
とにかくそう感じるし、事実次々とデビューしていくのだ。

そして、ボクもデビューした。
持ち込みから1年半ほどで選外佳作1本、佳作3本。
そしてデビューまでこぎ着けた。
歳も22才。
まぁ、普通にデビュー出来たと思う。

けど、まだまだ実力も伴わないのにデビューしてしまったのではと
直ぐに後悔した。
漫画を描いてデビューすれば、すぐに人気者にに成って連載.....なんて夢をみていたから。

でも実際はアンケートは散々。
当然またデビュー前と同じネーム直しの日々が始まった。
いや、違った。
デビューしたらネームのハードルがぐぐっと上がったのだ。
担当さんのダメだしも、前よりずっと厳しく鋭く成って成って行く。

自分の面白いがどんどん分からなく成って行く。
直しても直してもOKが出ない。
5回から6回直したら、そのネームは捨てる.....。
もう、面白く成る見込みは無いから。

きっとデビューで消えて行く漫画家さんはこの時に絶望して辞めて行くんだろう。

でも、ボクは諦めきれなかった。
正直言って自分に才能があるとは思えなかったけど、漫画を描く事が「好き」と
言うのには自信があったからだ。
でも、実はもうこのころ心はボロボロ。

他に何も出来ないから漫画にしがみついたと言う表現が正しいと思う。
それに、まだ試してみたい事が残っていたから。

それは、漫画を描く方法。
担当さんの反応を見ながら、良い、悪いと言うデータを自分なりに積み重ねて
みる方法だ。
次の読み切りが載る頃には、1000ページは超えるネームの屍の山を築いたと思う。

そのころに知り合った漫画仲間の一部を紹介します。
あなたの知っている漫画家さんはいるかな?

あろひろし、あおきけい、神崎将臣、中原裕、浦沢直樹、押山雄一、サトウユウ、宮原ナオ.....敬称略

デビュー時期も近い彼ら..。
特に浦沢くんは、大活躍だもんね。
比べちゃいかん人物が側に居たよ(笑)

つづく。