デジタル投入 | 帯ひろ志の漫画放浪記Powered by Ameba

デジタル投入

漫画家の弓月 光先生、僕が師匠と仰ぐ先生の一人だ。
今から十数年前.....、先生の仕事場にお邪魔していると、帯くん、Macは面白いよ。
これ絵も描けるんだ。

先生のそんな一言から始まったと思う。
コンピュータ、興味はあったものの、具体的に何に使ったら良いのかほとんど分らない。
その数年前にMSXと言うコンピュータの子分見たいなマシンを買った事はあったが、ゲームや
ドット絵みたいなのを描いて遊ぶだけだった。
それが、今は絵の描けるパソコンがあると言う。
動かない脳みそを使って、Macについて調べて見た。
べらぼうに高い! 最初はその値段にビックリした。
先生に聞くと、Photoshopと言うソフトを使うと、カラー原稿が描けるらしい。
ソフトの値段もビックリした。155,000円もすると言う。

しかし、興味を持って調べはじめると、もう止まらない。
自分に使いこなせるかも分からないのに、無性に欲しくてしょうがなくなったのだ。

そして、買ってしまったのだ。
Macintoshクアドラ650と言う68040系マシン。
まだPowerPCでも無い。
こいつが幾らだったかは忘れてしまったが、メモリ、ソフト、外付けハードディスク、
スキャナ、プリンタ、合計で100万円は超えたと思う。
最初はコンピュータの概念も分からない。本当に手探り状態。

絵を描くにも、どうやら解像度と言うものを意識しなければ成らないと言う。
Photoshopの参考書も買った。この本がまた高い(^_^;
僕が買った当時のPhotoshopのバージョンは2.5。
まだレイヤーが無く、undoも1回しか出来ないと言うもの。
フィルターを掛けようものなら簡単に小一時間ぼーっとしていなければ成らない状態(苦笑)
今から考えると、恐ろしく非力なマシンに大枚叩いたものです。

更に驚いたのは、ソフトがバージョンアップして成長していくことです。
成長するのはいいのですが、その度にバージョンアップ料金を払わねば成らない事。
そして、機能アッブしたソフトを使うには、マシン自体を買い替えるなどしてスペックを
上げなくては思うように動かない。
スキャナも漫画に必要なサイズがスキャン出来るA3スキャナに買い替える事に。
すると、プリンタもA3レーザープリンタも必要に..........。
本当にキリがありません。
投資は現在も続いているのですから(^_^;

モノクロ原稿の制作もデジタルで出来るようになったのは「がんばれゴエモンシリーズ」の後期。
今から6~7年前かな。
当時はまだデータで渡すと言う事が出来なくて、レーザープリンタで出力したものを担当さんに渡していました。

完全にデータで渡す様になったのは、2002年夏に朝日小学生新聞で連載した、
「にゃにゃんとコタロー」と言う作品でした。
一日3ページ連載と言う事で、1週間分の原稿をまとめて描いたのですが、
ネットで原稿を送っていたので、ギリギリまで描いていられたのでとても助かりました。

もはやデジタル無しに原稿が描けない身体になってしまった様です。

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