出世はしない自由業 | 帯ひろ志の漫画放浪記Powered by Ameba

出世はしない自由業

サラリーマンだと勤めているとそれなりに出世の機会もあるだろう。
出世したいかは本人に因るだろうけど。

漫画家って出世するのだろうか?
もちろん、世間の認知度によって出世を感じる事はある。
あと、原稿料がアップしたりするとね。

しかし、連載も永遠に続く訳でも無いので、当然終わりがやってくる。
僕の場合、恵まれていたのか連載が終了してもすぐに新連載の依頼があったりと、なんとか漫画でここまで喰ってこれた。
ありがたい事だ。

しかし、連載の合間がある時もある。
雑誌の漫画連載だけが漫画の仕事ではないので、色々なタイプの仕事も引き受ける。
もちろん、向うから勝手に仕事がやって来ると言うのはほとんど無いので、営業活動をする。
漫画雑誌への営業も、もちろん含まれる。

ここで感じるのが自由業の保証の無さだ。
失業保険も無いので、仕事を失う事は即、ご飯が食べられない事を意味する。

若い頃は、漫画家に憧れ、漫画家に成れれば幸せだと思っていたが、今や家族を養う身、夢じゃご飯は食べさせられない。
そう思うと、給料が頂けるサラリーマンに憧れたりもするのだ(苦笑)

今更サラリーマンが勤まるとは思わないので、このまま頑張るつもりだが、もう25年も漫画家やってるのに未だに持ち込みとかやって、キャリアを覗けば新人の頃と同じ事をやってる自分がいるのだ。
そして、出世はしてないなーと感じるのである(^_^;

昨年、昔描いていた出版社に挨拶に行った。
ものすごく久しぶりにそこで担当さんがついたからだ。
上司に紹介しますと言うので、編集部に向かった。

そこに居たのは、なんと昔の担当。
副編集長になっていた。

いやーっ、なんかすごく照れた。
その副編集長が僕の担当になった時、彼は大学を卒業したばかりで、まだほんとうに何にも知らないド新人だった。
僕も初めての連載をしているほぼ新人。
打ち合わせがかみ合わなくて困った事を思い出した(苦笑)

年は僕が3つ程上だけど、再開した時は貫録がついた彼に思わず嫉妬してしまいました。
こっちはまだ平漫画家のままだけど、せめて漫画が上達したことは見せたいと思う。

さて、まだまだ頑張ろう。