ペン先って、火で炙るの? | 帯ひろ志の漫画放浪記Powered by Ameba

ペン先って、火で炙るの?

この問題、物凄く誤解をしている漫画家志望者の方が多いので書いておこうと思う。

僕が小学生で初めてペンを使った時、新しいペンにうっすら施してある油のせいでインクをぼたぼた垂らして
ひどい目にあった事を書いたと思う。

それに対し、ライターなどの火で炙り、そのやっかいな油を飛ばしてしまおうと言うのがこの、ペン先を火で炙ると言う行為だ。
これは、アシスタントに行った時、初めて目の当たりにしてビックリしたのを覚えいてる。
それになんか、カッコよかったしね(笑)

さて、このペン先を火で炙ると言う行為、実に誤解している方がいる。
プロの漫画家で誤解している方は居ないと思うが、もしいらしたらそりゃちょつと恥ずかしいぞと、言っておく。

ペン先を火で炙るのはあくまで油を飛ばすため。
ペン先を焼くのが目的じゃない。

中にはむきになって、真っ赤になるまでペン先を焼いて、使い物にならなくしてしまう強者も見た(笑)
さらにそれをインク壺に突っ込んで「ジュッ」なんて焼き入れしてしまう超強者も。

言うまでも無くペン先は金属です。
つまり、余計な熱を加えると、金属の性質が変わってしまうのです。
そのペンが持っている硬さや腰の強さを奪ってしまうことに。

だから、ライターで油を飛ばすにしても、できる限りペン先に熱を伝えないようにしなければならない。
熱くなったペン先がそのままの状態で冷えると、これは焼きなましと言う状態で、柔らかく腰のない
ペンなってしまいます。

つまり、ハッキリ言うと、ペン先の油を火で飛ばすのはお薦めしないしと言う事です。
ティッシュなどにちょっと水を付けて拭けば、意外と簡単に油膜は取れます。
ペン先の手入れにも、水ぶきは結構お薦め。

お試しあれ。