漫画大賞佳作 | 帯ひろ志の漫画放浪記Powered by Ameba

漫画大賞佳作

月刊少年ジャンプ持ち込み3本目。

前回の選外佳作に気を良くした僕は、早速制作に取り掛かった。
描くのが楽しい。
もう、何時間でも描いていられると言う感じ。

背景の〆切りを早々に終わらせ、ズガッと作品を完成させた。
この31ページストーリー漫画はなんと15日で完成させる事が出来たのだ。

別に描き込みが少なくなった訳ではない。むしろ完成度は上がっているし、描いていても前より辛くない.....。
ここで一つ気付いた事がある。なんだかマラソンに似ているなーと.....。
初めて10キロ走った時の事を思い出したのだ。あんなに辛かった10キロも何度か走っているうちに自然とペース配分を覚え、走り終わった翌日に足が痛くならない感覚とでも言うのだろうか....。
ともかく、ぜーぜー言いながら描いていた漫画が、なにをどうしたら度のぐらいのクオリティで、度のくらいの時間で仕上がるか分かって来たのだ。闇雲に描いていた頃と比べると随分進歩したのだろう。

この作品は佳作入選し、賞状と5万円の賞金を貰う事になった。
この次の作品は13日間で完成、また次の作品は11日間で完成させることが出来た。
描くのが楽しくて結果的に日数の短縮に繋がったけど、今思えばもっとアイデアをじっくり練ってから執筆に取り掛かるべきだったかな。
結果から言うと、後の2本も佳作を頂いたが、デビューには至らなかった。

しかし、これからは打ち合わせをしてデビュー作品を作りましょうと言う事になり、さらにコンスタントに集英社に通う事に。
この事をキッカケに、すっぱりとアニメーションの背景描きから足を洗い、ネームに専念することに。
それとともにアパートを引き払い、実家に戻る事にした。
少ない収入も無くなるしね(^_^;
実家に帰れば、取り敢えずメシは喰える。単純な発想だった。

この頃から頻繁に緊急アシストの依頼が吉倉さんから入るようになる。
時にはアシスタントのはしごをする事も。
すると、背景の仕事をしていた時よりも稼いでしまったのである(苦笑)

つづく