昨年末の12/23、てことは有馬記念の翌日です。検疫が終わったBricks and Mortar(ブリックスアンドモルタル ※以下BAMと省略)が社台SSに入った、という報道がありました。幸いにも体調の変化もなく、輸送行程は順調だったとか。何はともあれ、無事にスタッドイン出来て、良かったと思いますねデレデレ


※ 社台SSのHPから引用

 ひっさびさの大物種牡馬の、輸入です酔っ払い
 日高にもカリフォルニアクロームが輸入されましたので、併せて非常に期待のある種牡馬だと思いますね。

 BAMの特徴は、その競走生活にあります。重度の跛行によって1ヶ年の休養を余儀なくされたわけですが、休養明けから破竹の7連勝を記録。この7連勝の中には、

GⅠ ペガサスワールドカップ・ターフ
GⅠ BCターフ
GⅠ アーリントンミリオン

 3つのビッグタイトルを含むわけですから、まさに快進撃だったわけです酔っ払い こういう勢いのある馬を種牡馬として輸入出来た事は、社台、そして日本競馬界にとって幸運だったと思いますね。噂では、4〜8億円で購入した、とかで。馬市(セレクトセール)が好評な社台でしか、買えない買い物と言えますww

 血統背景を紐解くと、父は大種牡馬ジャイアンツコーズウェイですが、肌の父はオーシャンクレストという日本では無名の種牡馬。オーシャンクレスト自身にGⅠ勝ちはなく、目立った成績は1994年のGⅡデルマーダービー程度で、産駒もGⅠ勝ちに恵まれなかったようです。母母父エクセラーは、現役時代、シアトルスルーとアファームドの3冠馬を負かした事のある活躍馬で、その悲劇的な最期(種牡馬廃用に伴う屠殺)がセンセーショナルに報道、功労馬余生のためのファンド設立という波を創造した名馬ですね。エクセラーの兄弟にはカポーティがいて、彼はセイウンコウセイのBMSとして、日本でも馴染みのある名でしょう。また4代母リットルブレッシングは1970年代半ばに日本に輸入され、社台ファーム系列に繁養されていた頃がありまして、この辺りに導入の経緯があったのかも、と深読みしてしまいます真顔 しかしながら、日本での繁殖成績は振るわしくなく、今では殆ど途絶えてるとか。反面、米国で遺してきた仔からパイオニアオブザナイルを輩出して、その産駒アメリカンファラオが米国3冠馬になるなど、大物を出すに至っています。

 配合的には、名馬ストームバードの3×3という濃いインブリード、従ってノーザンダンサー4×4でもあるのが特徴的です。父方のストームバードはストームキャットから、母方は前述のオーシャンクレストから、ですね。ロベルトからのヘイルトゥリーズンが5代前(血量3.125%)なので、日本に溢れるヘイルトゥリーズン系の肌馬とは、比較的つけやすい血統背景だと思います。が、ノーザンダンサーの血量は12.5%ありますので、4代内のインブリードによっては、ノーザンダンサーの血が濃くなることになりますね。日本の場合、ヘイルトゥリーズンとノーザンダンサーは、サンデーサイレンスとノーザンテーストの活躍によって一卵性双生児として普及してますので、ヘイルトゥリーズンの血が薄い分、ノーザンダンサーの血が濃くなる傾向になる場合もありそうです真顔

 初年度の種付料は600万円。米国のビッグタイトルを総ナメにした種牡馬が、600万円で付けられるのは幸運ではありますが、生産者全体の9割を占める中小零細牧場にとっては高嶺の花である事は、間違いありません。ノーザンテースト、そしてサンデーサイレンスを超える産駒に恵まれるか、今後に注目な種牡馬です。