お昼すぎに、久しぶりに父から電話があった。
電話を切る寸前まで、私を母と間違えていた。
平太郎のことも気にかけていた。

穏やかな父の声を聞いて
何カ月ぶりかで
素直に、フツーに父と話せたことに
自分自身驚いている。

父はアルツハイマーが進み
家では介護が難しくなったので
紆余曲折を経て
現在は施設にいる。
早いものでもう二ヶ月になる。

あんなに精神不安定で怒ってばかりいた父は
今はすっかり落ち着いて
施設でもなかなか人気がある。
もともと社交的な人なので
スタッフの方々のウケもいいみたいだ。
施設はすぐ近くなので便利だし
何より近くにいる、という安心感がある。


あの、もめにもめた日々がウソみたいだ。


そうして父が落ち着くべき所に落ち着いて
これから
母、私、夫そして平太郎との幸せな暮らしが始まると思いきや
今度は母が少し変になってきた。
母の言動や行動が
アルツ初期の頃の父ととてもよく似ている・・・と思うのが
私の勘違いであってほしい、と切実に思うのである。

父は電話で
『もうここに来て二週間になるので、もうそろそろ家にいっぺん帰ろうかと思う。』
と言っていた。
わたしはとりあえず
『ふーん、でもまぁもうちょっといれば?』と返しておいた。
そしたら
『じゃあそうする。』と。


お父さん、また週末に平太郎を連れて会いに行くよ。
またDSで脳トレしようね。

アルツなのに父の計算の速さには舌を巻く。