こんにちは。

とうとうこの季節になってしまいましたね。

しとしとと雨が降ったりやんだりの・・・

パッとしないお天気の毎日。

だからと言って梅雨入りまではいかず、

今年の関東は、梅雨入りが遅いのだそうです。

先週ちらほら咲き始めたスイートピーは、

この雨の中、わんさかと咲き狂っています。

咲き狂うというのは、ツルがめったやたらと絡みついて

花穂にまでグルグル巻きついて、なにやってんの？？

と言いながらほどいたりするほどなのです。

それも元気な証拠、

今の時期の庭仕事はそのほか特にすることもなく、

次には何を栽培しようかな～～？などとのんきに考える今日この頃です。

前回、うっかり者の私は、

「次回は6月の誕生石・真珠のお話です」

なんて、予告したのですが、

その前の回では、

「次回はヒスイのお話をもう一回やります」

と言っておきながら、個人的なガーデニングの話題で終わらせてしまっていました。

なので、本日は前回の予告通りに真珠のお話を

そして来週、こんどこそ2回目のヒスイのお話にしたいと思います。

ご期待頂いているかどうかはわかりませんが、

お約束をたがえてしまったことには変わりありませんので

ここにお詫び申し上げます。

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ということで、ここから真珠のお話でございます。

今日は、日本の真珠の歴史をお伝えいたします。

前々回、取り上げました翡翠は、実は日本での発見が世界で最も古いということがわかっておりまして、

古くは縄文時代に使用されたものが発見されています。

そして驚くことに真珠もまた、それとほぼ同時期の縄文時代前期にあたる、

約5500年前のものと思われる真珠が発見されているのです。

昭和37年に発見されたこの真珠は、福井県のトリハマ真珠と呼ばれております。

世界で最も古い真珠ではないでしょうか。

ご存じのように、日本には各地に貝塚というのもがありまして、

縄文時代から人々は貝をよく食していたのです。

ですから、何かの偶然に、食事中にでも、口の中に真珠を発見、

なんてこともあったのでは？と推測するのですが、

残念なことに実際には、食用貝は（もちろん真珠が生まれることは可能性としては十分あるのですが）美しい真珠が生まれる貝ではなく、

魚の目玉みたいな白く濁った玉にしかならなかったはずなのです。

たとえば、最もよく食べられていたというイボキサゴ。

意外とおいしいという声を聞きますが、貝殻の質を見てみると

美しい真珠が作られるコンキオリンの層が見るからに希薄です。

やはり、食用の貝から装飾用の真珠はつくられなかったと思われます。

では、この古代のトリハマ真珠はいったいどこから来たのか。

研究者によると、淡水にすむカラスガイの真珠ということがわかっています。

そして、真珠の裏面には貝からはがした痕跡があり、

おそらく装飾品にするために貝を採取したと考えられるのです。

つまり、縄文時代の人々から、真珠は求められていたということなのです。

時代は変わりますが、古代の宝飾品が最も多く集められている場所のひとつに、奈良の正倉院があります。

正倉院は、聖武天皇のお妃である光明皇后が聖武天皇ゆかりの品々を収めた宝物殿として知られていて、この時代に大切にされていた貴重なお宝の数々が眠っています。

ここにも真珠がたくさん保存されています。

正倉院の礼服御冠残欠（らいふくおんかんむりざんけつ）の第3層にこのように真珠がたくさん・・・。

礼服御冠残欠とは、儀式で使われた冠の残ったものという意味です。

鎌倉時代、一時的に正倉院から出したときに破損してしまい、その残った材料がこのように保存されているのです。

ぱっと見ではわかりにくいのですが、よく見るとこれらは真珠が糸でつながれているものというのがわかります。

この糸も昔のままの状態なのがすごい！ということにも気づきますね。

そしてこの真珠はほとんどがアコヤ真珠なのです。

真珠と言えばアコヤ貝。

それは古代からの歴史があるのです。

日本では、

玉（ぎょく）は翡翠を表し、

珠（たま）は真珠を表します。

この二つは古代からの宝物として長い歴史があるのです。

次回（こそ）は、このもう一つの宝物、翡翠についてお話ししようと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

6月の誕生石・真珠のお話≪日本編≫