私の血管は細い方らしく、毎回注射の時には看護師の方たちにお手間をかけてしまいます。
点滴は針が太いのでなおさらで、何度か刺し直されることもあります。
そんな痛みはなんともないのですが、看護師に謝られることを心苦しく思います。
いよいよ初めての抗がん剤投与です。
まず、生理食塩水を少し落としてルートを取ります。
異常が無いことを確認したら、抗がん剤を始める前に副作用を予防するお薬が入ります。
吐き気予防とアレルギー予防のお薬を45分ほどかけて落としていきます。
そして抗がん剤です。
まずはタキソール(パクリタキセル)で、これはすべて落とすのに3時間もかかります。
看護師が異変をすぐに察知できるようにつきっきりです。
このお薬が投与されているうちに、体がポカポカしてきました。
胸元からふわぁっと暖まり、感覚がふわふわとし、小さなゲップが出そうになります。
『なんか、体があったかいんですけど。これ普通ですか?』
「このお薬には添加物としてエタノールが入ってるから、アルコール飲んだときみたいになる場合があるんです。気分が悪いですか?」
『いえ、悪くはないです。』
「たぶん、少ししたら治まりますけど気分が悪くなったら教えてくださいね。」
『はい。』
看護師の言う通り、すぐに治まりました。
その後3回この抗がん剤を投与されましたが、このような症状が出たのは1回目だけでした。
入院患者さんの中にはアルコールアレルギーでこの抗がん剤を受けられないという方もいらっしゃって、治療を受けられるというだけでも感謝しなくてはいけないなと、思いました。
ちなみに、この抗がん剤が受けられなくても他にも抗がん剤の種類はありますので、治療の選択肢がなくなるわけではありません。
次にカルボプラチンという抗がん剤です。
これも1時間ほどかけて落としていきます。
こちらは特に体調の変化はなく投与がおわりました。
そして最後に生理食塩水を15分ほど落として、血管中の薬剤を洗い流していきます。
全てが終わったとき5時間以上が経過していました。