おはようございます、こんにちは、こんばんは。おばちょです。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
私の方は相変わらず仕事でバタついております。
現在勤務している病棟は、内科と整形外科の混合病棟です。
そこには毎日、様々な病気の患者さんで溢れかえっております。
酔っ払ってすっ転んで骨折した方、透析の方、若年性アルツハイマーを患っている方、心不全に糖尿病、脳梗塞にくも膜下出血、脳出血。末期のがん患者さんも来ます。
大抵の方は、一人暮らしだったり、家族の介護力がなくて行き場をなくした患者さんです。
中には余命宣告を受けたがん患者さんが、骨折を治してほしいとくる事もありますし、自宅療養中で家族が面倒が見切れなくなったと、レスパイト入院を希望されて来る患者さんもいます。
そういった患者さんたちは、別の病院で余命宣告を受けていたりします。
なのですが、抗がん剤の治療をしていない、積極的な治療をしていないにも関わらず、余命宣告よりも長く生きている方がいます。
そういう患者さんたちの共通点は、高齢者であること。そして、軽度から重度の認知症状があることです。
病気のことなんてすっかり忘れていて、食欲旺盛で、動けないけれども活気がある。
なにより、病気は進行しているのだけれど自覚症状が少ない患者さんは、意外と余命宣告以上に生きることができているように思えます。
実際に看護した患者さんで、余命1年と宣告された肝臓がんの女性が骨折の治療のため入院してきた方がいます。
その方は「死んでもいいので、骨折を直して欲しい」と医師に訴え、全身麻酔による手術を受けました。
手術は無事成功し、あとは2週間後に縫い合わせた皮膚を止めている針をとるだけとなりました。
ところが、途中で肝性脳症の症状が出現し、意識レベルの低下が起こりました。
食事を中止し、点滴による対応を開始した時、医師も「もうダメかもしれない」と言っていたのですが、その女性患者さんはなんとその5日後に肝性脳症の症状が改善し、意識を取り戻したのです。
今では食事も完食し、リハビリで車椅子に乗ってトイレに行けるまで回復しています。
だから、現場の私たちは常々「余命宣告はアテにならないなぁ」と思っています。
余命宣告を今まさに受けている方、ご家族の方に申し上げます。
癌の種類によって進行の具合はさまざまですが、あくまでも人間が予測した余命です。病気のデータから算出した目安でしかありません。
大事なのは、病気に意識を向けすぎず、よく食べ、よく眠ること。
病気を忘れて夢中になれること、ありませんか?
1日のうち数時間でよいので、病気を忘れられる時間をつくってください。
きっと、生きる力を与えてくれるはずです。