Nature communications

In vivo induction of activin A-producing alveo;ar macrophages supports the progression of lung cell carcinoma

S Taniguchi, T Matui, …, M Ishii

Osaka Univ. Japan

 

肺胞マクロファージ(AM)は正常な肺機能を維持するのに不可欠なのだが、肺癌でもこの肺胞マクロファージが沢山いて、腫瘍微小環境でこの細胞が癌をサポートするような働きをしているんじゃないかという疑問を検証するところから始まる。

その結果、肺胞マクロファージが産生するアクチビンAという物質が癌の進行に深く関わっていることが分かった。

TLR4 → MyD88 → TAK1 → JNK → INHBA →ダイマーを形成(アクチビンA) → ALK4(受容体) → ERK → tumor progression

以上のような経路によって腫瘍がどんどん形成されていくと考えられる。

肺胞マクロファージから作られたアクチビンAが腫瘍細胞のALK4受容体に結合するとERKが活性化して肺癌の細胞増殖が盛んになる。

 

 

以下メモ

CD163(+)AMsが肺がん組織に集まっていた.

AM細胞株 AMJ2-C11(B6マウス由来)、ルイス肺がん細胞 LCC(B6マウス由来)

 

方法

マウスに蛍光色素tdTomatoを標識したLCCを注射。

FACSで解析するとF4/80(hi)の集団を対照群(R1;Siglec-F(hi)), LCC投与群Siglec-F(hi)(R2),およびSiglec-F(int)(R3)の3つに大きく分かれる。主成分分析でこれら3つが別のクラスターに分かれることを確認して遺伝子発現を比較し、インヒビンβ-A(Inhba)に着目。Inhbaの発現はAMで特に高いことを確認した。そしてアクチビンAの濃度は腫瘍内AMで有意に高かった。

そこでアクチビンAのantagonistであるフォリスタチンを投与すると腫瘍サイズは小さくなった。