【今回の学習指導要領改訂のポイント】
中学ではこれに伴い教科書改訂されました。

評価の仕方も変わってきます。


これまでの評定は
①    「知識・理解」
②    「技能」
③    「思考・判断・表現」
④    「関心・意欲・態度」
4観点によって

評価されてきました

これからは
【3つの観点のポイント】
3つの観点について
それぞれどんな点に注意するべきか?

① 「知識・技能」
 「知識・技能」について
「これまでのペーパーテストで評価すればいい」

というわけではありません。


これまでの4観点のときは

「知識・理解」が一つの観点でした。
3観点にするにあたり、
「理解」が抜けてしまったのですが、
「深い理解」は認知心理学では40、50年前から

大事なキーワードとされてきたものです。
知識とは「深い理解を伴った知識」であることが大事です。

「知識・技能」は英単語や歴史の年号を

丸暗記するなどして断片的な知識を得たり、
単純に算数の計算方法だけを覚えて

使えたりすればいいのではありません。


その言葉や歴史的事件にはどういう

背景やつながりがあるのか、
算数ではなぜそのやり方で答えが出るのか、
などの理解を伴った知識や技能であるとされました。


このことは中教審の答申や

学習指導要領にも書いてあります。
「知識・技能」は理解を

伴ったものなのだということを、
まず押さえていただきたいと思います。

子どもに理解してほしいことは、

教科書に書いてありますし、
先生も教えてきたはずです。
しかし、歴史で「年号を言わせる授業」や

「穴埋め形式のテスト」をしていると、
子どもは丸暗記で対応しようとしがちです。

例えば、年号の丸暗記では

対応できないような問題を出す、
あるいは授業の中で歴史的な事柄が

どういう因果関係で起こったのかを
班で話し合って代表者にプレゼンさせる、
などの活動を取り入れ、
「深い理解を伴った知識・技能」で

あるかどうかを評価してほしいと思います。

② 思考・判断・表現
これは基礎的な知識・技能を

うまく活用しながら、
さらにその先を自分なりに考え、

情報の真偽などを判断し、
考えたことをわかりやすく人に

伝えるために表現する力、
ということです。

具体的な評価方法としては、

ペーパーテストで測れる面も

あるかもしれませんが、
論述やレポートの作成、

グループでの話合い、

作品の制作や、
発表と質疑応答などで評価できると思います。


大事なのは、

ただ単に知識・技能を持っているだけではなく、
それらを使ってプラスアルファの

自分なりの考えを出すことです。


例えば、これまでは説明文を読んで、
著者が何を言いたいのかを

読み取ることが中心でしたが、
読み取ったうえで

「あなたはどう考えるのか」

が重要なのです。

中教審の会議では「批判的思考力」

という言葉が飛び交ったようです。

著者の主張は本当に正しいのだろうか、

データに基づいているのかどうかなどと考え、
比較検討しながら自分はこう考える、
と主張できるところまでいけるといいのですが、
これは日本人には苦手だと言われてきた部分です。


それではいけないのではないかということで、
自分で考え、

資料などが適切かどうかを判断したうえで、
表現することが求められているのです。

③ 主体的に学習に取り組む態度
これについては、知識や技能を獲得したり、
思考力、判断力、表現力等を

身に付けたりすることに
向けた粘り強い取り組みを行おうとする側面と、
自らの学習を調整しようとする側面という、
2つの側面から評価することが求められています。

学習には「量的に頑張る」という側面があります。
今日は3時間勉強した、問題を20問解いた、
というのは「粘り強い取り組み」にあたります。


これももちろん大事なのですが、
これからは質、
つまり、学習方法にも注目する必要があります。

学習の自己調整とは
「学習のPDCAサイクルを学習者自身が回す」
ということを意味します。


学習は、学校での授業だけでするのではありません。
家庭学習も含めて自分で計画を立てて実行し、
問題集に取り組んだり、テストで間違えた問題をチェックし、
なぜ間違えたのかを分析し、次の学習に生かしていく、
そういうことができる力を付けていこう、ということです。

小学校の低学年であれば、
同じ漢字を50個書くなどの

単純な学習方法は有効かもしれませんが、
やがて部首による構造的理解などが

記憶を助けてくれるようになります。
スポーツでも音楽でも、
反復練習は大切ですが、
レベルが上がってくると

単純反復だけでは上達しません。

練習する方法を工夫することが大事です。
これは学習も同じです。
発達に応じて学習方法が適切かどうか
考えて学んでいく必要があるのです。

 

だから、

先生にすぐに

教えてもらうのではなく

自分でできる限り考えて

勉強することが大切!!!