私は、幼い頃より犬がいる生活をしてきた。


田舎にいたせいもあるかもしれないが、いわゆる"手作り食"をずっと与えてきた。


今では、"手作り食"という、なにか手の込んだ素晴らしいもののように、言われてはいるが、我が家では、いわゆる"人間と同じもの"であった。


昔は犬の食事の知識が全くなく、塩分もそのまま。玉ねぎが悪いという事しか知らず、もしかすると、今では禁忌と言われる食材を与えていたかもしれない。


そんな状況のなか、我が家の歴代の犬たちは、大型犬も小型犬も15歳程度は生きてくれ、一代前の大型犬は18歳迄生きてくれた。


その事が、我が家の"食"への、奇妙な自信となり、今へと続いている。


動物愛好家の方々は、ゾッとするのかもしれない。


ある動物病院では、そんなの食べさせてはダメです!と、強く叱られたこともあったが、私が懇意にしている動物病院の先生は、人間がこれ程長生き出来ているのだから、それを犬が食べることは、悪いことではないと言ってくれてはいる。


そうはいっても、我が家でも、この情報化社会のなか、塩分も食材も犬は別にして、気を付けるようになった。


ただ、先代の犬たちとは違うものを食べていることに、時々自信がなくなる。


私が、彼らの命の為に出来ることは、たかがしれている…。


しかし、犬の為に…と、全てを足し算ですると、頭がオーバーヒートしそうである。


足し算と引き算を日々積み重ねて、最後に二重丸となることを願って。


彼らが天寿を全う出来るために…。