居留地は馬や牛が放し飼い
ナバホでは馬や牛が道路の真ん中にいることがよくありました。
昼間は良いのですが、夜はとても危険です。
街灯もない砂漠地帯の夜道を車で走っていた時、何度も馬や牛が道を塞ぎ車を止めました。
暗闇の中、急にヘッドライトに照らされた馬や牛はとても怖く感じます。
とくに黒毛の馬や牛は闇に同化するので気を付けなければなりません。
突然、ナバホ族のガイドが「ストップ」と叫びました。
運転していた記者がブレーキを踏むと15mほど先に黒毛の馬がいました。
同乗していた他の3人は誰も気づきませんでした。
彼女が気づかなかったら、大事故になっていたかもしれません。
次の日。ナバホの小学校取材後の何気ない会話。
記者 「夜道の馬や牛は怖いね。」と昨夜の話。
ナバホ文化の先生 「本当にそうかな?彼らは金属の塊が何十キロのスピードで当たって即死だう。人間側は車が大破して怪我もするかもしれないが、命は助かっただろう。本当に怖いのはどっちだろう?」
本当だ。
その言葉を聞くまで、当たり前のように人間の立場で物事を見ていました。
本当に怖いのはこっちだったね。