日帰り温泉でたっぷり楽しみ、すっかりリラックス!
その後ふとお財布を開いたら、「えっ!? クレジットカードがない!!」
……こんなことがゴールデンウィークにありました。荷物はコインロッカーに入れていて、それ以外はずっと手元にあったのに。ちなみに、現金や身分証明書は手つかずでした。一体なぜ……?
今回は、私自身の経験をもとに、スパや日帰り温泉の“クレカ泥棒対策”についてお話したいと思います。
◆現金を盗らずクレカだけを盗むのは“気づかせない”ため
2021年11月、千葉県の温泉施設で女性の脱衣所ばかり狙ってロッカーからクレジットカードを盗み、不正使用していた中国人の窃盗団が逮捕されました。
この犯人たちは、ロッカーの合鍵を作って犯行を繰り返し、盗んだカードで家電製品などを購入していたそうです。被害総額は5400万円にも及ぶとのこと(※『毎日新聞』2021年11月18日より)。同様の手口の犯罪は、各地で報告されています。
犯人が現金を盗らず、クレカだけを抜いていくのは“発覚を遅らせ、カードを盗まれたことに気づかせない”ため。複数枚カードがあるときは、1~2枚だけ抜いて他は残すこともあるようです。私の場合も、もう1枚あったクレカは盗られずに残っていたので、恐らく同じ手口と思われます。
最近はスマホで電子決済をする人も増えているので、カード現物が消えていることにしばらく気づかないケースもあり、犯人にとっては都合がいいようです。
◆どうやって鍵を偽造したの?
私が利用した温泉は、浴場のほかにレストランやリラクゼーション、プール、ショップなど“浴場以外の施設”があり、長時間滞在する人も多いところでした。一度ロッカーに荷物を預けたら戻って開けるまでの時間が長いので、その隙に偽造した合鍵で開錠し、事に及んでいたと思われます。
犯人は持ち出した鍵をどこかで仲間に渡し、型を取るなどして合鍵を作っていたようです。
◆どのロッカーが狙われやすいの?
入り口から遠い、奥のほうのロッカーが狙われやすいようです。私が使っていたのも、奥まっていて人通りが少ないロッカーでした。頻繁に人が行き来したり、ぶつかりやすい場所を避けたかったからですが、それが裏目に出ました。
着替えるとき多少わずらわしくても、人目が多い場所のほうが安全かもしれません。
◆合鍵でロッカーを開けていて、本人と鉢合わせしないの?
私もですが、入浴中は手首にコインロッカーの鍵を着けていました。犯人はなにげなくターゲットに近づいて鍵の番号を確認し、「この人は当分ロッカーに戻らない」とあたりをつけてから犯行に及んでいたようです。
まさかこんな目に遭うとは思っておらず、無頓着にしていましたが、鍵を着ける際は“番号を裏側にしてつける”ようにすべきでした。
ダイヤル式ロッカーの場合も、番号を合わせるときどこからか見ている人がいないか、十分気を配ったほうがよさそうです。
◆被害にあったらどうすればいい?
盗難に気づいたら、まずはカード会社に連絡して不正利用の有無を確認し、カードを止めてもらわなくてはなりません。
カードの再発行には、1週間~10日前後かかる場合があり、その間に決済のあるものは別のカードを登録し直すなど、支払い方法の変更手続きが必要です。
また、警察に被害届けを出す場合は、原則として“被害に遭った場所のそば”の交番や警察署に届けることになります。被害届けを出す場所に決まりはありませんが、実際は現場検証などをする都合上、被害場所付近で出さなければ受理してもらえないケースが多いようです。私も帰宅後、家の近くの交番に行きましたが受理してもらえませんでした。
◆どうやって盗難を防げばいいの?
・貴重品は必要最小限に
荷物を預ける施設に行く場合、持っていくのは必要最小限の貴重品にしぼること。カードが複数枚あるなら1枚のみ、現金も不要な分は置いていったほうが安全です。
・面倒がらず貴重品ロッカーを使う
私も「コインロッカーを使っているし」とたかをくくってしまったのですが、貴重品は衣服とは別に貴重品ロッカーに預けたほうがいいかも。ダイヤル式が多く、フロントのそばなど人の目が多い場所に設置されているので、コインロッカーよりは安心です。
・死角にならないロッカーを選び、鍵の番号は人に見せない
手首に着ける鍵の番号も、ダイヤルロックの番号も人に見せないようにしましょう。
入浴中、なぜかそばに寄ってくる人や、こちらの様子を気にかけているような人がいたら要注意。
・ロッカーを開けたら、その場で荷物を確認
施設を出る前に無くなっているものがないか、その場でお財布などをチェックしましょう。異常があればすぐにスタッフに伝え、場合によっては通報や被害届けを。
たとえば地方の施設から地元に帰ってきて盗難に気づいた場合、被害届けを出すのが難しくなってしまいます。
気軽な行楽や、「コンサートの遠征時は日帰り温泉でリフレッシュする!」という方も多いはず。せっかくの楽しみが曇らぬよう、ぜひ予防策を参考にしてみてください。
……ところであなたのお財布、ちゃんとクレジットカードはありますか?