いつも京都へ行くと好きなところを好きなように回っているのですが。
今回「ネコの絵」(←ツッコミは後でね)に惹かれまして。
京都駅着いたら観光案内所へ直行。
とりあえずごった返す外国人観光客をかき分け、必要なパンフを手に入れたのでございます。
(持ち歩いたので真ん中で折れてます)
第52回。
これどういう意味かと言いますと。
京都市、京都市観光協会、京阪バス、JRグループが協力して行なっている「京都ディスティネーションキャンペーン」
歴史は1967年から(JR旧国鉄の参加は1980年から)。
みなさまご存知の通り、京都は春と秋が繁忙期で、夏と冬が閑散期。
その差は大きく、少しでも閑散期に人を呼ぼう!と始まったキャンペーンの一環なのでございますが。
努力の甲斐あって年々人気が出てきて、2016年の記事によるとその差が3.6倍から1.5倍にまで縮小されたそうです。
で、obakaneko.
そんなこととはつゆ知らず。
「ネコの絵」につられて参加してみた・・・というね。
なんというアホだったんでしょう!!!
閑散期に開催されるイベントのレア感がすごい!!!
日頃公開されない「非公開文化財特別公開」というのが目玉で、毎年テーマが決められているんです。
2017年は大政奉還150周年記念。
2018年(今年)は、明治維新150年記念と西郷隆盛。
「近代日本の幕開けとなった慶応4年(1868年)の「明治維新」から150年。また、西郷隆盛を主人公とした「西郷どん」放映にちなんで、幕末・明治維新や西郷隆盛ゆかりの寺院など15ヶ所で、通常非公開の文化財を期間限定で特別公開します。」
というもの。
パンフをもらいに行ったら「スタンプラリー」に気づき。
これもゲットして行く。←オススメなので絶対やった方がいい!
(持っていなくても、各寺院でスタンプ済みのこの用紙が置いてあります)
さて、まずobakanekoが向かいましたのは、宝鏡寺。
宝鏡寺は「代々皇女が住職を勤めたことから「百々の御所」と呼ばれた尼門跡寺院で「人形の寺」としても親しまれている。本堂には江戸初期の絵師・狩野探幽筆と伝わる「秋草図」と日本画家・河股幸和が手がけた襖絵があり、書院には、伝円山応挙筆の杉戸絵や円山派の絵師による障壁画が残る。幕末、徳川14代将軍家茂に降嫁した皇女和宮が、幼い頃に遊んだ「鶴亀の庭」も見どころ。その他、和宮の兄である孝明天皇遺愛の御所人形や和宮遺愛の天目台、宮中から贈られた雛人形などの貴重な人形の数々も特別展示される。
これが寺院の説明です。
皇室関係の寺院というのは当たり前ですが、通常の禅寺などと比較しガードが非常に固くてですね。
写真撮影はほぼ不可!でございます。
このお人形だけが唯一写真撮影を許されておりました。
京の冬の旅で特別公開されている寺院に行くと、ご年配のガイドさん(普通のおじいちゃん、おばあちゃん)がわんさか!といらっしゃって、非常に丁寧に極寒の中説明をしてくださいます。
和宮さまは12歳の頃、五ヶ月こちらに滞在なさったのですって。
御門には御所車を止めるための石があったり、鶴亀の庭は(亀はわかったけれど、鶴は?でしたが)狭いけれど美しく。
お庭にある多くの木はモミジだそうで。
「秋は公開されるのでしょうか?」と聞いている方がおられましたが、答えは「さぁ?」と濁されてしまいました。
つまりは、今の時点ではわからない、ということ。
真っ赤な紅葉が見られたら、どれほど綺麗でしょう!と思いました。
秋の人形展、春の人形展が開催されていて、その時は一般公開されるので、11月1日〜11月30日までの秋の人形展後半に行けばもっとも美しいお庭が見れるかも!
他に見どころは、皇室関係なので、釘を隠す紋が菊だったり、お姫様が庶民の生活を覗くための小屋のような建物があったり、尼寺なので杉戸絵も可愛いワンコだったり、可愛い〜という感じ。
女性は拝観していてとても楽しい。
(比較して夫は興味ないらしく「寒いから次行こう!」を連呼)
「お姫様方が遊んでいる姿」のお人形が飾ってあるお部屋がありまして。
そのお部屋の襖絵は「お米の収穫」がどのようになされるのか、お姫様に知って頂くように描かれているのですって。
四季折々の絵にとても癒される。
可愛いワンコの杉戸絵は「円山応挙」作。
ガイドさんいわく、「通常ガラス越しでしか見られないものが、こんなに近づいて直に見られることは滅多にありません。どうぞお近くでご覧ください」と。
いや〜目と思っていたら耳だったよ、みたいな?笑
「応挙といえば?」と問われるので「円山」と答える。
この辺りは、なんでも鑑定団を観ていれば難なくクリア。
感想が庶民で申し訳ない。
宝鏡寺は、春・夏に人形展で一般公開があるので、冬の旅で訪問する寺院としてはそれほどレア感はないんですが、特別公開は2月28日まで。春の人形展が3月1日〜4月3日まで。
御朱印は人形展の時だけお人形のスタンプが入るので、そちらの方が良いかも?と思わないではありませんでしたが、返ってこちらがレアかも。
次に向かいましたのが、相国寺・林光院。
そう、猫の絵!です。
相国寺・林光院の説明
「室町時代創建の相国寺の塔頭寺院。薩摩・島津家とのゆかりが深く、境外墓地には、幕末の「蛤御門の変」「鳥羽・伏見の戦い」で活躍した薩摩藩士が合葬される。本堂、書院などの建物は、江戸後期の仁正寺藩(滋賀県)藩邸を移築したもの。内部は「龍虎」「蓮」「松」などの水墨画で飾られている。書院南庭には、紀貫之の娘の逸話で有名な「鶯宿梅」があり、36枚ある花弁の色が真紅から淡紅、純白に変わるのが珍しい」
京の冬の旅初公開!らしく、レア感満載!!!
中はもちろん写真撮影不可!なので、言葉で感想を述べますが。
これね。
実は2017年に完成したばかり!の襖絵なんです。
作者は「藤井湧泉」さんという中国の方。
日本人の奥様と結婚され、名前が「藤井」になられたそうです。
林光院の御住職が「300年後に残る襖絵」を依頼され、藤井湧泉氏が4年の歳月をかけて製作された襖絵は、どれも素晴らしい作品。
パッと見「墨絵」とわかるのですが、近くで見ると毛の一本一本まで繊細に、本物のごとく描かれていて驚愕します。
猫の絵ばかりが目立ちますが、猫の反対側の襖に描かれているのは龍。
と、ここでガイドさんの説明があります。
「猫のように見えますが、実は虎です。反対側に描かれている龍と対峙していて、龍虎図となっています。龍は雲を呼ぶとされており、日照りが続いた時雨を降らせてくれる。対して、降りすぎて災害が起きた時は、虎が風を吹かせて雲を追いやる、という意味です。虎の目に小さな点が描かれておりますが、龍の存在に虎が気づいて薄めを開けている様子を描いています。」と。
見学している多くの方から「虎だったんかい!!!」という笑い声が響き渡ります。
確かに、龍に対して、猫はないわなぁ・・・・・・笑
そして、お次に説明を受けるのが、庭にある「鶯宿梅」という梅の木について。
「勅なれば いともかしこき鶯の 宿はと問わば いかが答へん」
これはアホなobkanekoでも意味わかる。
村上天皇の時代、清涼殿の梅が枯れてしまったので、代わりの美しい梅の木を探していた天皇。
紀貫之の娘の所有していた梅の木を移し替えたのですが、娘が詠んだこの歌に感激し、梅を返したという言われがあるそう。
「天皇の御所望となれば仕方ないけれど。賢い鶯が戻ってきて「私の宿はどこ?」と聞かれたら、私はなんと答えれば良いのでしょう?」
こんなことを、幼くかわゆい姫に言われたら、天皇とて返却しますわな。
紀貫之邸の跡地に林光院が創建されたので、代々御住職がこの梅を守っていらっしゃったのだそう。花弁の色が真紅、淡紅、純白に変わるのですが、どの枝にいつ、どのように3色の色が出るのかわからないらしく。今年、この枝に真紅が咲いたから、来年も?と思うとそうではないらしく。まさに神出鬼没の出かたをするのですって。
特別公開は3月18日まで、なので、もしかしたら時期によれば梅が咲いているところを見られるかもしれません。
あと、林光院が次にいつ公開されるかは全くわからず。
公開があるのかないのか?もわかりません。
それくらいレアです。
御朱印は直筆ではなかったので、こちらでは頂きませんでした。
この後、同じ敷地内の豊光寺に行ったのですが、なんとー!
タイムアウトで入れず。
実は「京の冬の旅」を楽しむにあたり、気をつけなければいけないのが拝観時間。
ゆっくり家を出て、買い物して、わらび餅食べて下鴨神社参拝して、あんみつ食べてから拝観を始めたobakaneko.
移動にも時間がかかるし、ガイドさんの説明丁寧だし、想像以上に時間がかかる上、拝観時間は10時〜16時と非常に短い。
二つ回っただけで16時になってしまったのでした〜。
で、翌日伏見行ってお酒飲んで帰るつもりだったのですが、予定変更!!!
特別拝観の楽しさに嵌り、リベンジ兼ねて翌日もスタンプラリーすることにしたのであります。
これがラッキーでね〜。
雪の京都がこんなに美しいとは!!!というのを経験してまいりました。
長くなるので、次の記事で豊光寺と法堂・方丈の感想と、スタンプラリーの景品交換体験について紹介させて頂きたいと思います。
ほんっとにね〜。
写真で紹介できないのが残念ですが、それだけに「行かないとこれは体験できません」てことなのね。
「京の冬の旅2018」非公開文化財特別公開、奥が深いです。
色々回っていると、京都め、こんなものをまだまだ隠し持っておったんかい!!!とツッコミたくなります。