【今日の教科書:憲法九条を世界遺産に(著者:太田 光 、中沢 新一)】
感受性が豊かであることや純粋であることや正義感があるということは、温かくて優しくて平和なイメージを持たれそうだけど、実は、とても危険でもあると思う。
無関心やいい加減や適当の方が、穏やかかもしれない。
何かに違和感を感じ、それを無視できずに考え突き詰めてしまう生真面目さ。
違和感や矛盾がどうしても気になってしまう正義感。
人の気持ちがわかってしまう感受性。
愛とか優しさといった純粋な心のパワーは強大で、それは憎しみにも変わるし、人も殺してしまうし、戦争も起こしてしまう。
この本によると、スターリンは身内にはとても愛情深い男だったそうです。
そして、この本が度々フォーカスしているのは宮沢賢治。あの、やさしい言葉でやさしい物語を書く宮沢賢治です。
彼は、超右翼思想宗教団体とも言われる国柱会の開祖・田中智学や、満州事変を成功させた軍事思想家・石原莞爾の思想に熱狂的に傾倒したそうです。
世の中で危険と言われる思想やそれに基づく行動も、もとを辿って行けば純粋さや正義感というものに行き着くことが多いと思います。
例えばイスラム原理主義も、愛や純粋な信仰心や強い信念がテロや戦争を起こしている。
映画の話じゃんとつっこまれそうですが、スターウォーズの、私の大好きなアナキンは、母親思いの、優しくて感受性が強くて賢い青年でした。
それはさておき、この本の本題は、そんなことではなくて、憲法九条を守ろうという内容です。
ちょっと現実的じゃないのかなという感じで説得力には欠ける印象でしたが、とはいえなんせ知らないことばかりで自論も持てずに混乱している私にとっては、「共感と違和感の源泉(この本の中の表現)」で、色々勉強になりました。
最近、全く反対の改憲派の本を読んだり、こうして護憲派の本を読んだりしてみているのですが、私自身はまだ自信を持ってどちらがよいと言えるに至っていません。
話はまた戻るようだけど、感受性が豊かだったり、純粋だったりする人が、ただそれだけを評価されて「いい人だ」と言われたりしていることがよくあるけど、その価値観を私は好きじゃない。
優しい心や繊細さを表現するのなら、表現した本人の、それを貫く行動としての責任が欲しいと思う。
でも実は、その「いい人」のイメージは、ただ敏感に感じてしまうだけの自分自身なのかもしれません。
そして、それが単純に良しとされることに違和感を覚えるのは、敏感に感じるだけは感じて、だけどそこから何かの答えが見つかるわけでもなく、ましてや何もしていない自分自身に対する嫌気から来るのかもしれない。
