尿の濃縮機構 | ドクターH(Homeless doctor)の覚え書き

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まずHenleの太い上行脚で再吸収されたナトリウムとクロールは髄質に蓄積し間質の浸透圧を上昇させる。


・上行脚の直前にあるHenleの下行脚では,水の透過性が高く,管腔液がここを下降する際に水が浸透圧勾配にしたがって再吸収される。これにより管腔液は濃縮され,それがHenleの上行脚に到達し,そこでナトリウムとクロールの再吸収がより効果的になる。

・Henleループを通過した尿は遠位尿細管を経て集合管に入り,皮質から髄質を下降する。
集合管の細胞は,ADHの存在下では水の透過性が高くなるので,髄質の高浸透圧のため水が再吸収され,濃縮した尿がつくられる。

・さらに,髄質の高浸透圧の形成には尿素も重要な役割を果たしている。尿は集合管を皮質から髄質に向かって流れ,ADHの存在下ではこの際に水が再吸収される。
しかし皮質部の集合管では尿素の透過性がないので尿素の再吸収はなく,尿中の尿素は髄質に向かうにつれて濃縮される。髄質では尿素の透過性はADHの存在下で高く,ここに至って濃縮された尿素が一気に再吸収される。このように,尿素の透過性が皮質と髄質で異なっていることを利用して,髄質に尿素が蓄積される。これは尿の濃縮機構にとって重要なメカニズムである。