先日、日テレのバラエティ番組

仏像が好きすぎるアイドル

としてアンジュルムのリーダー
和田彩花さんが出演されました。

毎週アクの強い芸能人の方々が
自分の行き過ぎ・やり過ぎな行いを
反省しにやってくる番組。

超攻撃的芸人のツートップともいえる
有吉弘行さんとバカリズム升野さんという、

アイドルの手荒な扱い(笑)については
右に出るもの無しのお二人に、
和田さんもコッテリ絞られたご様子。

当日はアイドルの大先輩
大場久美子さんのファンクラブという
あまりに強力すぎるネタもあり、

爪痕を残すという点では
やや不満の残る結果に
終わったかもしれません。




和田さんの仏像や絵画に対する
愛情や熱心さが本物であることは、
我々ファンならば誰もがよく知るところ。

番組ではバカリズム升野さんの
「キャラ付けの一環」
みたいな言われように
和田さんもご不満の表情でしたが(笑)

美術について本気で学びたい
と思わなければ、
大学に進んで美術史を専攻するなんて
なかなかできることではありません。

でも番組の限られた時間の中で
和田さんの熱い思いを伝えるには、
知識も技術も経験もまだまだ足りなかった、
といったところでしょうか。




歌やダンスと同じで、
トークにおいても
自分の思いを正しく伝えるには
技術が要ります。

何事も心を込めなければ
人の心を動かすことはできませんが、

どんなに心を込めても
ただがむしゃらに
歌ったり踊ったりするだけでは
ファンの皆さんの心には届きません。

だからこそ、
人は日々のレッスンの中で技を磨きます。

和田さんの美術トークも同じこと。

ただ「好き好き大好き」では
みんなその圧に押されて引くばかりで、

人々に絵画や仏像の魅力を
正しく伝えることはできません。

美術を愛する心と
それにまつわる高度な知識、

そしてそれを知らない人にも
わかりやすく伝える巧みな話術。

技と心が一体となって初めて
自分の思いを正しく伝えることができるし、
人々の心を動かすことができるのです。

今回、芸能界の荒波の中で
猛者どもに揉まれたことは、
和田さんにとって良い経験に
なったのではないでしょうか。




赤ん坊がゆりかごを出たら
元には戻れないように、

美術の道を志したからには、
いつまでもただ好きなだけの
子供ではいられません。

学芸員を目指す和田さんにとっては、
世の人々にわかりやすく
美術の魅力を伝えるのも役割の一つ。

和田さんがキラキラと目を輝かせながら
仏像や絵画のお話に
夢中になっている姿をみれば、

美術のことがわからない人でも
その思いは感じ取れます。

あとはその思いを正しく伝えられるように、

周りの人をポカーンとさせないように(笑)、

今回の反省を活かして、
これからたくさん勉強して、
たくさん経験を積んで、
技と心を磨いていってほしいと願います。


いつの日か有吉さんや升野さんに、
テレビを観ているお茶の間の皆様に、
ちょっと仏像を観に足を運んでみようか
と思って頂けたら素敵ですね。




番組の最後に禊として
自力で仏像を作ってみるよう
丸太と彫刻刀を渡されましたが(笑)、

仏師の道はまた別の技と心が
必要になります。

でも作り手の気持ちを理解するためにも、
一度自分で手がけてみるのは
良い経験になるかもしれませんね。(・∀・)