ほんとは全然元気じゃないよ。毎晩毎晩飽きもせず泣いてる。もう今さら声を上げて大泣きできないよ。みんな我慢したり忘れようとしたり必死で頑張ってるからね。
訪ねてくる大人たちは『楽になったんだよ』って言う。でも私からしたら意味わかんないんだよ。つらかったならわたしなんか生まないでほしかったあなたの子じゃなきゃよかった。なんで自分だけ楽になってるの?許せないよ母さん。
母さんにこんなに本気で腹がたったことないよ。死んだら何になるの?母さんは何になったの?骨壺の中にいるの?ベランダにいるの?あの椅子ですわってるの?それともなにもかも消えてなくなっちゃったの?
少しでいいから話したい。楽になれたのか それとも後悔してるのか。それがわかれば納得できるのにな。同じところに行きたいよ。1日だけでもいいから母さん。
そう遠くない将来にじいちゃんもばあちゃんも死んじゃうんだよ。順番が違うよ。できればみんなと永遠でいたい。できれば。でも無理だからせめてその悲しみを母さんと分かち合いたかったのにさ。こどもばっかりつらいじゃん。じいちゃんもばあちゃんも傷が癒えないうちに死んじゃうんだよ。きっとあまちもしむらもそうだ。ばかだよ本当に。許さないからね。会いたいよ。これが全部夢で本当は自分が死んでたらいいのに。