【閑話休題】 弱きを助け強きをくじくとか、勧善懲悪ってのは ダサいですか?・・・ | ・大津、出水、そして全国の子供たち、死んじゃいけない~ヘロの独り言

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・ 全国で子供たちが陰湿ないじめによって死に追い込まれている。
  命を奪うものは直接の加害者だけじゃない。見てみぬふり、時には言葉の暴力や直接の暴力で、子供たちを死に追いやる教師もいる。
  そんな狂った社会に向けて、老人は怒りをこめてつぶやきます。


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少し弱っているようだから休めと言われて、本当は今日から出るつもりだったのですが、今日明日ともに熱中症の危険性が高いとかで、再び座敷牢に・・・・・
まあ、おかげで随分とブログ更新できましたが。
それも明日までということで、今日は気楽な雑談にふけりたいと思います。

冒頭の動画は、往年の東映時代劇を支えた名優・月形龍之介さんの水戸黄門です。
その中でも、シリーズ中の最高傑作といわれる「天下の副将軍・頼常乱心」の抜粋です。
月形さんについては、かなり前にもとりあげさせてもらいましたが、たいへんな方です。

あまり知られてはいないのですが、新撰組の沖田総司を映画主人公にした最初の方で、実は独立プロ時代に彼が演じた沖田像がその後の映画でもいまだに踏襲されています。
もっと凄いのは、
茶せん髷に、浴衣の片肌を脱いで、馬上で柿を食らう傍若無人な「若き織田信長」の姿は彼が発想したもので、信長記、信長公記から彼が練りあげた信長像です。そのイメージはいまだに踏襲されています。
また、彼が製作した「斬人斬馬剣」という映画が、黒澤明の「七人の侍」の原型とも言われます。
ただ残念なことに、たぶん時代が早すぎたのでしょう、どれも興行的には失敗(笑)
歳を経て、多くの映画人の尊敬を集めながら、名わき役に徹した方です。
こうした実証精神の証しの一つとして、末尾に彼が「鞍馬天狗」で演じた近藤勇をアップしておきます。見本は幕末の本物の写真だそうで、握りこぶしが入ると言われたほどの口の大きさまで真似ています。蛇足ですが、月形さんは殺陣を迫真のものにするために剣道を学び、段位まで取っていたようです。

その中でも、老いてからの数少ない主演作の一つが「水戸黄門」シリーズです。
主演だから、脇役だからというのは、どうでもいいことです。
たとえば脇役の中でも敵役=悪役という点では、彼が演じた「吉良上野介」は歴代忠臣蔵映画の中でも最高の吉良役だと言われているのですから。
臨場感のない紹介になりますが、いろんな役者が松の廊下で浅野内匠頭をいじめぬいた中で、彼らが聞くに堪えない暴言を駆使するのにたいして、月形上野はたった一言、長袴にすがりつく浅野の手を扇子でうち払い「衣服がけがれる」と。たったそれだけの台詞で、観客に殿中刃傷の必然性を納得させるのですから凄いと思います。

面白いのは、この動画の冒頭で水戸黄門(徳川光圀)の将軍謁見を阻止しようとする阿部豊後守役の佐々木孝丸。たいへんな方です。俳優にとどまらない凄い方で、知る人ぞ知る大変な歌の訳詞もされています。右だの左だのとわけのわからないことを言う人がいるので明記はしませんが、興味のある方は検索してみてください。すぐに分かります。
佐々木さんとの関係で言えば、月形さんもまた、反戦活動で官憲に追われた志村喬さん(「七人の侍」のリーダー)を特高警察からかくまい、隠し通したことが知られています。

世の中があらぬ方向に向かいつつある今、なぜか子供時代に見た時代劇のことを思い出してしまっています。
勧善懲悪、弱きを助け強きをくじく、そんな言葉が当たり前のこととして子供心にしみついていたのが、いつの間にか、どこかで大きく変わってしまったんですね。
ニヒルを気取るだけならまだいいのですが、なんかマトモであることがダサいかのような風潮を感じる一方で、得体の知れない「正義」をふりかざし、平然と「殺せ」だの「たたき出せ」だのと絶叫する人間が作り出されています。
従来のパターンからちょっと捻った方向に、という創作者の志向は十分に理解できるのですが、それを「あらぬ方向」に捻じ曲げてしまう力が働いているような気がします。
とは言え、テレビ時代劇などの「勧善懲悪」パターンの陳腐さにも責任はあるとも思います。
独断と偏見で言うなら
鑑賞に堪えうる時代劇は「鬼平」あたりで絶滅したような・・・・・・
あは、これは猛反発をくらうかもしれませんね。

ご参考

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余談:
全くの余談ですが、日本映画の父といわれる牧野省三さんの直弟子であった月形さんは、冒険精神旺盛なチャレンジャーだっただけでなく、とても情熱的な人でもあり、牧野氏の娘さんと「駆け落ち」して一時は映画界から追放されたりしています。
そういう面でも(?)大好きな俳優さんです。
ただし、この名優の唯一の弱点は、私生活での情熱的な行動とはうらはらにラブシーンが苦手ということで、彼を撮った多くの監督を悩ませたとも伝えられています。沖田を演じた頃のブロマイドを見るかぎりではラブシーンも似合いそうな美青年なんですが、何故かそういう場面だけはコチコチに固まってしまったそうです。