大分竹田高校の剣太くん、滋賀愛荘町の康嗣くん、長野松本の武蔵くん・・・・・ ~日本の武道教育の闇 | ・大津、出水、そして全国の子供たち、死んじゃいけない~ヘロの独り言

・大津、出水、そして全国の子供たち、死んじゃいけない~ヘロの独り言

・ 全国で子供たちが陰湿ないじめによって死に追い込まれている。
  命を奪うものは直接の加害者だけじゃない。見てみぬふり、時には言葉の暴力や直接の暴力で、子供たちを死に追いやる教師もいる。
  そんな狂った社会に向けて、老人は怒りをこめてつぶやきます。


YOUTUBE & 携帯

柔道部員死亡:元講師の過失認め、町に賠償命令 毎日新聞 2013年05月15日 夕刊

滋賀県愛荘(あいしょう)町の町立秦荘(はたしょう)中で2009年7月、中学1年の柔道部員、村川康嗣さん(当時12歳)が練習中に倒れて翌月死亡したのは、当時顧問だった男性講師(30)=退職=の暴力的指導や学校側が安全配慮を怠ったことが原因として、遺族が元講師と町に計約7500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、大津地裁であった。長谷部幸弥裁判長は元講師の過失を認め、町に約3700万円を支払うよう命じた。元講師への請求は棄却した。
遺族側が主張していた元講師の日常的な体罰や男性校長(59)の管理責任は認めなかった。遺族側は控訴を検討する。
判決によると、村川さんは部活中、「乱取り」と呼ばれる練習で元講師に技を掛けられて倒され、意識不明になった後、翌月死亡した。死因は急性硬膜下血腫だった。
長谷部裁判長は、村川さんが水分補給の際に水筒とは反対の方に歩く異常行動があったとした上で「意識障害の可能性を認識できる。直ちに練習を中止し、脳外科を受診するなどしていれば救命可能性はあった」と指摘した。ただ、公務員が職務中に起こした損害の賠償責任は国や地方自治体が負うとする国家賠償法の規定に基づき、賠償責任は町だけにあると判断した。
一方、元講師が練習中に村川さんをたたいたり蹴ったりしたという部員の証言の信用性を認めず、遺族が主張した村川さんへの日常的な体罰は否定した。遺族側が「元講師を指導したり、部活動を監視したりせず、監督責任を怠った」と主張した校長の管理責任については判断しなかった。

母 息子と歩んだ4年 京都新聞 5月14日(火)

最後の親子旅行で康嗣君がかぶっていた帽子などを前に会見に臨んだ母の弘美さん。「再発防止につながらない判決だ」と訴えた。遺族の表情は晴れなかった。滋賀県愛荘町の責任を認め、元顧問の暴力的指導の認定を退けた14日の秦荘中柔道事故の大津地裁判決。再発防止を願って提訴に踏み切った村川康嗣君=当時(12)=の母弘美さん(45)=東京都八王子市=は、「不十分な判決で残念」と司法判断に疑問を投げかけた。
弘美さんは大津市内で、村川君がお気に入りだった帽子と笑顔の写真とともに、弁護士らと会見に臨んだ。事故から判決までの約4年間を振り返り、「あの日起こったことをはっきりさせたい。その思いで今日を迎えた」と話した。誹謗(ひぼう)中傷を受け、訴訟をやめたくなることもあったが、写真に向かって「弱気になってごめん。康嗣のためにできることはこれしかない」と言い聞かせたという。
その上で、判決文で元顧問が「気合を入れる」として部員をたたいたり蹴ったことは認めつつ、日常的な暴力的指導だと判断しなかった点を疑問視。全国で問題になっている体罰を例に、「柔道場でたたかれても暴力じゃないのか。指導者の『段』というライセンスは何なのか、柔道界にも考えてほしい」と語気を強めた。
村川君にどう報告するかと問われると、「裁判をして良かった。でも、康嗣にやられていたことが認められなくて不服。母さんは頑張ったで、と言いたい」と語った。判決について、遺族側代理人の渡部吉泰弁護士は「元顧問の指導が限度を超えていた点に踏み込むべきだ」と指摘。「事実の本質に迫れておらず、再発防止に反する判決だ」と強調した。

「体罰」問題についてのメッセージ 
全国柔道被害者の会  http://judojiko.net/news/1284.html

大阪で起こった悲しい事件をきっかけに、最近報道では、「体罰」問題が大きく取り上げられています。また、女子柔道の日本代表選手に対する監督の「暴力行為」も明らかにされました。
私達は一連の報道の中で「体罰」という言葉が頻繁に使われ、問題が「体罰」として扱われることに大きな違和感を感じます。体罰とは、親や教師などが、子供や生徒などの自己の管理責任の下にある相手に対し、教育的な名目を持って、肉体的な苦痛を伴う罰を与えることを指します。
すなわち「体罰」とは、悪い事をした子供に対して、それが悪い事であると痛みをもって解らせるということです。この意味において、体罰を擁護する声が一部の方から起こり、またこの意味において、体罰を肯定する風潮すらあります。
しかし、痛みをもって「悪い事であると解らせる事」が体罰であるなら、「勝たせたいという気持ちが強すぎて手を上げてしまった」「気合いを入れるためだった」「試合に負けた」「指導した通りに出来ない」更には「声が小さい」等々という理由で生徒や選手を殴ったり蹴ったりする行為は、それは「体罰」ではなく「暴力」でしかありません。そして、絶対的権力を持つ者が弱者に対して行う「暴力」を「虐待」と言います。スポーツや教育の場においては、指導者、教師と選手、生徒の間に、絶対的支配の関係が成立する事が多々あります。教師や指導者、監督という絶対的支配力を持つ者が自己の管理下にある相手に対して行う「暴力」は、すなわち「虐待」です
「体罰」という曖昧な表現がされる事で、体罰擁護の声が起こります。
しかし、いま「体罰」として報道されている多くの事件は、「体罰」ではなく「虐待」であると私達は考えます。そして、この「虐待」を「熱心な指導の結果」「成長を願っての指導」などという言葉で擁護する事は決して許されることではありません。それは、虐待を行った親の多くが「躾のつもりだった」と主張する姿勢に通じるものがあります。「虐待」をする親の多くが、幼少期に自分もまた「虐待」を受けていたとされます。同じように、暴力を伴った稽古を受けて育った指導者が、暴力を伴った指導をします。このような負の連鎖が延々と続いてきた事が、そして、それを一部の人間が容認、または黙認してきたことが、いま報道されている問題に繋がっていると考えます。
負の連鎖は、断ち切らなければなりません。すべての指導者、すべての教育者は、大人の理性を持って「虐待」の連鎖を断ち切ってください

****************

愛荘町の康嗣君の事件でも、大分の剣太君と同様に加害教師は「国賠法」によって守られ、彼らの重大な過失は私たちの税金で尻ぬぐいさせられるという判決になりました。なおかつ、中学に入ってまだ三ヶ月、受身の基本すらできていない子供に【乱取り】という荒稽古=シゴキを行うという講師の姿勢を問題視することもなく、日常的暴力についての生徒証言をしりぞけたことなど、まことに不十分きわまりない判決といわざるをえません。自分たちの懐が痛まないからと、町は控訴しない方針のようですが、これで事件を終結させるわけにはいきません。
以前にpyonpyonさんが指摘し、また今回は秋羅さんが指摘したように、この国賠法の壁をうちやぶる道筋には【求償】=「公務員に故意または重過失があった場合に限り、国または公共団体は、その公務員に対し求償権を有する」という手段も残されています。そのために必要なことは、現在検察審査会にかけられている加害教師の刑事責任を明確にすること、康嗣君については顧問の指導法の異常さと日常的暴力の実態をさらに明らかにし、彼らの【故意】と【重過失】を証明していくしかありません。困難な闘いではありますが、気を抜くことなく応援しつづけていきたいと考えています。

大分竹田高校の剣太君のご両親の戦いは、そのまま康嗣君のご遺族の戦いに直結します。前記事でよびかけた【署名】のうねりが、さらに巨大な怒涛となって滋賀愛荘のご遺族にも届くことを期待します。

本ブログの更新が滞っている間にも、実に様々な動きがありました。中でも、大津のHくんを見殺しにした担任森山にたいする、あまりにも遅すぎた処分、それどころかあまりにも軽微で【おためごかし】なその内容には、激しい怒りをおぼえます。さきの市教委の身内【お手盛り】処分と同様に、この皇子山中学事件の闇はほとんど解決していないことを実感させられます。
そんな中で、クラくんの古い記事に寄せられた同じ長野の中学生りんごさんのコメントに心を癒されました。これも放置すれば過去記事の山の中に埋没しかねないので、最後にご紹介しておきたいと思います。

 無題 By りんご  5月17日
穂高事件~だまされてはいけない。これは体罰ではなく凶悪な暴行…

はじめまして。
長野県の中学生です。
今まで、変な先生に何度も会いました。
うちの親は東京出身ですが「よそ者だから目立ちたくない」とか
「人質(私のこと)を取られているから先生の機嫌を損ねたくない」
と言います。変な先生に当たっても
「先生が変なのは当たり前。社会でまともに働いたことがないんだから」
と言います。親は私を守るために学校の理不尽に目をつぶっているのは分かるし
私も目立たずにいたいので、さほど不満は無いのですが
「テストの時以外は馬鹿のふりをしていなさい」と言われて
さすがにショックでした。

母は中学生の頃、先生の出題ミスを指摘してしまい、その先生に卒業までずっといじめられたそうです。
先生にはそんなに気を遣わなくてはいけないのでしょうか…

「学校は理不尽さを学ぶ場所だ」
というのが親の口癖ですが、理不尽に抵抗するすべを学ぶ場所でもあるのかもしれませんね。
一番いい形で解決するよう、同じ中学生として願っています。

社体については、うちの親も
「変なシステム。こんな馬鹿なこと他の県でもやってるのかしら」
と文句を言っていますが、文句言えば?と言ったら
「あんたがいじめられるから嫌だ」
と言う返事でした。

県外のいとこに聞いたら
「社体って何?こっちはそんなもの無いよ」
と言われたので、きっと珍しいシステムなんだと思います。
親が怒っているので寝ます、お休みなさい。