9月11日20時
訪看さんが来てくれた
「お父さん…早く逝っちゃったね」と私に言った
私は何が起きてるのか全然理解出来ていなかった…
いつのまにか父が冷たくなっていた
母は父にいつも「ありがとう」を催促していた。
しかし…元々照れ屋さんだった父はあまり「ありがとう」を言わなかった
「最後は息子と私に「ありがとう」ってすごく大きい声で言ってくれて、まるで映画の様でした」と興奮気味に訪看さんに言っていた。
その一言で全てが報われた様だった。
その後…訪診の先生がきて「死亡宣告」を受けた。
死因は廃用症候群による肺炎だった
21時
看護師さんに「娘さん…お父さんを綺麗にするので手伝ってくれませんか?」と言われたので「出来ることは何でもします」と答えた
父は9月21日が80歳の誕生日でした。私からのプレゼントは母からのリクエストで着心地が良くて着せやすいパジャマだった
ネットで買って送ってあったパジャマを母が出してきて「これがすごく肌触りが良くて気持ち良さそうだから着せてあげて下さい」と言った
最後はこれでと決めてあったと母が言った…
冷たくなった父の髪を洗い…
着替えさせて…
髭を剃り…顔にクリームを塗ってあげた
そして訪看さんがお腹の中を綺麗にし綿を詰めていくのを見つめていた。
それは悲しく、辛い光景で涙を堪えてもポロポロ涙が溢れてしまい訪看さんが「ごめんね…ごめんね…見なくていいからね」っと言ってくれた。
でも…最後まで見届けないと…って思い必死に頑張った
すると訪看さんが「実は私も去年父を看取ったの…こんな仕事していても自分の親は死なないもんだと思っててね…」と話してくれた
そうなんですよね…と頷くのが精一杯だった
仕事の途中で駆けつけた旦那さんと兄が綺麗になった父を布団に運んだ
最後に父の顔を整えてくれて訪看さんの仕事は終わった
それは…すごく丁寧に丁寧に愛情もって綺麗にしてくれたお陰で父は少し微笑んでいる様な顔をしていた。
22時
訪看さんにお礼を言って見送った
チビをどうしようかあれこれ考えたけど、5歳のチビには残酷な気がして父に会わせないまま旦那さんと自宅に帰らせた。翌日は旦那さんの実家に預かってもらう事にした。
チビもだいたいの事はわかっていたと思うけど「お父さんとお母さんも死んじゃうの?」って考えちゃうと可哀想だと思った
23時
業者の人がドライアイスを持ってきた。
父のお腹や顔周りにドライアイスが置かれて冷え冷えになってしまった。
24時
兄も帰り母と娘と私だけになり2人には休む様に言った。
私はお線香をあげながら一晩中父の側にいた。疲れたので父の横に寝てみたら何だか安心したような不思議な気がした。