トオマス・マン 「悩みのとき」 | 電子文芸同人誌【oase】(季刊誌)のブログ

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新しいことを始めるというのは、それはそれは大変なこと。
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同人誌は理想主義、文学を継承していく。
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なぜなら、この利己心より更に深いところには、

やはりなんといっても、なんかある高きものに仕えて、

もとより酬いは思わず、必然に迫られつつ、

無視無欲に自己を消耗し犠牲にしているという意識が、

動いているからである。

そしてこの高きものを求めんとして、

自分より深く悩んだことのない者は、

何人といえども自分より偉大にはならぬように、

というのが彼の嫉妬の気持ちてであった。