娘の退院翌日
私達は早朝から
ティーン専門の治療プログラム
に向かいました
この治療プログラムは
娘が入院していた
チルドレンズホスピタルとは
また別の医療施設にあり
Paritial Hospitalization Program
通称PHPと呼ばれる
日中10時間の入院治療のことですが
*回復に従って10時間→6時間→3時間と短くなる
部屋には病院のように
ベッドはおかれておらず
フロアーにいくつもある部屋には
学校の教室のように
ホワイトボードと
デスクと机があったり
ソファーが置かれています
さて
到着してチェックインを終え
ロビーで待っていると
もう一組の親子がやってきて
この日プログラムに入るのは
2家族なのだと知りました
間もなく別室に通されて
オリエンテーションがスタート
オリエンテーションは
プログラムのセラピストによって
進められました
まずプログラムで使用する
ワークショップのパケットが
たくさん綴じ込まれた
ずっしりと重いバインダーが
子供用と親用で
それぞれ一つずつ手渡されました
今でもバインダーの中身を見返すことがあります
そのバインダーに綴じられた
プログラムでのルールや
1日のスケジュールのページを
見ながら
治療プログラムについての
詳細が説明されました
どうやら
治療プログラムは
1日のスケジュールが時間割で
決まっていて
週3日は
朝食前に体重測定と
バイタルチェックからスタート
そして
やはりスケジュールの柱は
食事とスナックです
*10時間のプログラムは3食+2スナックが提供され
帰宅後の夜のスナックは親の担当
食事・スナック以外の
スケジュールは
全員で受ける
ワークショップもあれば
トピックによって
2~3グループに分かれて
少人数で受けるものもあり
まるで学校のように
クラスによって部屋をあちこち移動し
1日を過ごすようです
なるほど
こうして1日10時間を
治療プログラムで
過ごすだけの体力が必要だから
MBUに入院中のような
身体に異常が出ている間は
このプログラムには
入ることができないのだと
理解しました
1時間ほどかけて
一通り説明が終わったあと
子供達は
体重測定とバイタルチェックをして
プログラムの朝食から
他のティーン達と合流するため
部屋を出て行きました
子供が部屋を出て行った後
オリエンテーションをしてくれた
セラピストが親たちにこう言いました
多くの家族は
この治療プログラムに来れば
子供の摂食障害を完治できると思って
ここにやってきます
けれども
ここは完治させるための場所ではなく
病気を理解して
回復に向かうための
様々なテクニックやツールを
本人と家族が学ぶ場所であり
それらテクニックやツールを
身に着けるための教育とサポートを
私達が親子に提供する場所です
ですから
ここでのプログラムを終了することは
病気を克服し完治した
という意味ではありません
ここを卒業したあとも
専門家のサポートを得ながら
メインは
ツールを身に着けた本人と家族で
克服へ向かえる状態にする
それがゴールです
…
私はこれを聞いて
ハッとしました
なぜならこの日
私はこの治療プログラムが
娘の拒食症を完治してくれるのだと
まだどこかで思っていたし
治療プログラムを卒業=完治
と思っていたからです
彼女の話を聞いて
私の中にあった
「誰かに治してもらう」という
意識を完全に捨てて
親である私と夫が
「娘を回復させるのだ」という
強い意志を持って挑まなくては!
とあらためて気付かされたのでした
続きます