この唐桑地区には、震災前、牡蠣の養殖筏が600あった。津波で残ったのはわずか4筏。
津波は、筏を攫ったが、筏を係留するロープは水中に残ったものが多かった。その上を船が航行するとスクリューに絡んでしまう。
清水さんは、静岡在住のダイバーで、最初はこのロープなどの清掃のボランティアとして、現地に入った。
震災直後、津波火災を起こした海は、油で汚れていた。ウェットスーツでの作業を終えた後、洗剤をかけて洗ってもらわないと、つるつる滑って上がれないほど、油まみれだった、という。
減圧症を防ぐため、たとえば水深30mでの作業は、15分ほどしかできない。1日に潜れる回数にも、制限がある。1日にできる作業の量はそう多くないが、ボランティアのダイバーへの依頼は多く、清水さんは繰り返しこの地区に通うことになった。
そのうち。牡蠣を食べさせる店の店長に、という話があって、定住したのだそうだ。
その店が、この唐桑かき小屋である。
▽店も、ボランティアが建てたもの
▽ステンレスの箱?
いや、蓋。持ち上げるともうもうと湯気が立ち、牡蠣の山が現れる。
▽手袋が配られ、自分で牡蠣のカラをしっかと押さえて、ヘラでこじあける。中にはぷっくりした牡蠣の身。これが、1人分15個。満々腹。
とにかくインパクト大&牡蠣好きの私としてはとても美味しかったのだけれど。牡蠣15個より、牡蠣の数を減らしてもいいから、何か別のモノ、のほうが嬉しい人も、けっこういるかもしれない。
あのすごく熱くなっていそうな蓋の上に、オーブンペーパーに包んだ野菜を置いたらいい具合に蒸し野菜にならないかしら、牡蠣の蒸し汁を茶漉しで漉して野菜にかけたら美味しいのではないかしら、とか。香川讃岐の某うどん店のように、客が自分でネギを刻んだりショウガを擂ったりしたらどうだろう、とか、思ったりもした。
▽震災から2年を経た、澄んだ海
牡蠣が蒸しあがるまでの時間が教えてもらえると、キレイな海をもうちょっと見られた気がする。



