某落語家さんの講座に先日入ったんですけどね。
今後は、今以上に落語も意識して勉強していかねばな、
ということで
オンデマンドTVが
無料で観られる今の間に、
配信されている落語を
一日一本は見ていこうと決めました。
本日は
入船亭扇辰師匠の
「麻のれん」
を観ました。
療治にきたあんま(目の見えない人)が、
もう遅いから泊まっていけと旦那に言われ、
酒と枝豆をご馳走になって、用意してもらった8畳の間で
一晩寝ることになった。
寝床まで連れて行ってやるという旦那の話を断り、
一人で寝床まで行った際、
蚊帳とまちがえて
入口にあった麻ののれんをくぐったところで寝てしまい、
蚊に頭まで刺されてひどい目に合った、
というお話。
その後、
再度旦那の家に泊まったあんまだが、
今度は、
気を利かせた侍女が
麻のれんを取って、蚊帳だけにしておいた寝床を
用意した。
男は、
もう麻のれんと蚊帳を間違うまいと
先の布を麻のれんと思いくぐった後、
その奥の布を蚊帳と思いまたくぐってしまって、
また蚊帳の外で寝てしまった、
というのが
サゲ(漫才でいうところのオチ)でした。
この落語は、
江戸落語でして、
上方落語とは違って、とても静かで上品なものでした。
上方落語にある、
あの、
扇子をパンパン叩く台(見台・・・けんだい)もないですし、
(上方も噺によってはないんですけどね)
やっぱり全体的に
オシャレ。
スマートですな。
どうして江戸落語のほうが、
出だしの声が静かであるのかってのは
ちゃんと理由があるようです。
でもその話は、
また後日。
枝豆を食べるシーンは本当にリアル。
すごいの一言。
そりゃ師匠なんだから当たり前なのでしょうけれどね。
でも
これができて一人前なんでしょうね。
先日受けた講座で、
「食べ物は何なら食べていただけますか?」という作家の質問に、
「何でも食べるよ(笑)」
とおっしゃっていた落語家さん。
本当、かっこいいっす。
笑いどころは少なくて、
さらっとした落語でした。
サゲは
侍女が
「麻のれんを取っておきました」
と言ったところでピンときましたが、
サゲの一行の言い方がとても上品で、
思わず笑ってしまいました。
「この男、またも外へ飛び出した。」
同じサゲでも
セリフ回しで面白さが変わるもんなんでしょうな。