第22話 吉兆
ボールは神奈川。
藤真「止めるな、オフェンス早く」
前半とは違う、神奈川の速い攻めにまだ上手く対処しきれていない東京。
そこを突く、神奈川。
速いパス回し、
藤真から仙道へ、
仙道、ディフェンスを引き付け福田へ、
福田、やや強引にシュート。
ガシャンッッ!!
シュートは外れる。
「リバウンド!」
シュートを打った、福田が取る。
福田、もう1度シュートを放つ。
スパッ
仙道「よし、ナイスだ」
藤真「よっしゃ、ディフェンスに早く戻れ」
弥生「神奈川はようやく本領発揮といったところかしら」
中村「それにしても、福田くんは相変わらずねばり強い」
牧「あいつのオフェンス力は半端無いですからね」
高頭「そうだな、うちとやった時も福田は止まらんかったからな」
相変わらず、オフェンスでは神奈川屈指の力を見せる福田。
ディフェンスに問題があるため、スターターではないが、この試合では高頭はディフェンスにおいても福田にある作戦を指示していた。
安藤「チッ、完全に流れが向うに行ってやがる。 それにこのPG(藤真)、無名だが相当出来る。 全く隙がない」
守屋「安藤さん、ボール」
守屋にボールが渡る。
シュートフェイクを掛け抜きにかかるも、さすがに2度連続では引っかからない流川。
攻め手に欠ける東京。
もはや、頼みは泉しかいなかった。
守屋、泉へパスを出す。
泉、ボールを受け取る。
弥生「神奈川は、このセンターをどう止めるかが問題よね」
中村「さっきから、地味にやられてますからね。 花形君や高砂君相手に良くやってますよね」
弥生「ええ、神奈川はここを止めればかなり有利に試合を運べるようになると思うけど」
中村「あっ!!」
泉「!!!」
「ダブルチーム」
高砂・福田のダブルチーム、それに仙道までもがすぐにヘルプに行けるように注意している。
泉「ふっ、面白い」
泉、強引にシュートを狙う。
高頭「打たすな!! 止めろ、止めるんだ!!」
福田「・・・・、打たせん」
泉の腕を思いっきり叩き止める福田。
ピィ―――
「ファウル、ディフェンス・・・・ 、」
泉「クッ、思いっきり叩きやがって」
ファウルを貰いながらもシュートを打ちに行こうとしたが、福田の力が強く、シュートに持ち込めなかった。
彦一「福田さん、あのセンター相手に全く力負けしてへん。・・・恐るべし」
彦一「・・・っは、そう言えばチーム内では唯一魚住さんにもパワー負けしとらんかったわ」
高頭「そう、それでいいんだ」
フリースロー1投目。
スパッ。
安藤「よっしゃ、次も決めろよ」
2投目。
シュッ、
ガンッー
外れる。
リバウンドを取ったのは高砂。
牧「監督、どうやら作戦は当たりそうですね」
高頭「あぁ」
つづく