日本医療政策機構の市民医療協議会がん政策情報センターは4月10日、11日の両日、「がん政策サミット2010春-患者と議員が作るマニフェスト-」を東京都内で開催した。都府県のがん対策推進協議会などの患者関係委員や、公募によって選ばれた全国の患者リーダーなどが、10日は48人、11日は45人参加。厚生労働省のがん対策推進協議会が9日に長妻昭厚労相に提出した11年度の「がん対策に向けた提案書」などを基に、「患者が提案するマニフェスト案」を作成した。サミットは12日まで開催されており、同日には、サミット参加者が作成した「患者が提案するマニフェスト案」を国会議員に説明する議員勉強会を衆議院第二議員会館内で開く予定だ。

 患者主体のがん対策の実現に向けて議論を重ねるがん政策サミットは、昨年5月と10月に続いて今回が3回目の開催。サミット初日の10日、同センター長の埴岡健一氏は、「これまでの会は一生懸命お勉強していたが、お勉強止まりのところがあったのが少し否めなかった」と指摘。今回は勉強した内容をまとめて、「最後は国会議員一人一人に渡そうと考えている」と説明した。

 「患者が提案するマニフェスト案」は、がん関連の政策の全体的な方向性を盛り込んだ総合マニフェスト案のほか、「緩和ケア」「がん登録」「在宅緩和ケア」など個別の10分野ごとのマニフェスト案と、それらを実現するための優先施策などで構成されている。

 10日は、個別分野についてグループに分かれてマニフェスト案を話し合ったほか、総合マニフェスト案について全員で意見を出し合った。11日には、それぞれの優先施策を話し合った。

 11日時点の「未定稿」によると、「緩和ケア」のマニフェスト案としては、「早期に国が緩和ケアに関わる医療従事者などの教育システムを確立し、がん患者と家族が満足できる緩和ケアを受けられるような社会を実現する」としている。また、「在宅緩和ケア」では「国が、年度内に、すべての市町村で、自分らしく生き抜くために、患者・家族が希望すればいつでも受けられる在宅緩和ケアシステムを、新たな法整備等によって実現する」とした。

 また、これらを実現するための優先施策として、がん対策推進協議会のがん対策に向けた提案書から、「緩和ケア」では「切れ目のない終末期医療のためのアクションプラン」「緩和医療科外来の充実」などを、「在宅緩和ケア」では「医療法の改正」「介護保険法の改正」などをそれぞれピックアップした。


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