ドイヒーな事業計画
税理士×大家です。
税理士にとって忙しい時期になりましたが、頑張って更新しようと思います
先日の休みの日に、母親の友人の大家さんとお会いしました。
昨年1棟アパートを建てて、もう1棟建てる予定とのこと
うまく収支がまわるのかどうか心配なので見て欲しいということで話を聞くことにしました
その方は、千葉県に広い土地を所有していて、駐車場経営を行っていたのですが、
固定資産税が高いので、それを何とかしたいとのことで、ハウスメーカーさんに
アパート経営を勧められたようです
ちなみにこのハウスメーカーさんは大手さんです。
【解説】
一般的に駐車場の場合、固定資産税が高くなります
というのも、自宅やアパートなどの建物が建っている場合には、
住宅用地として固定資産税の課税標準が1/6、
都市計画税の課税標準が1/3になる特例がある
ので、アパート建築すると固定資産税の負担が軽くなり、家賃収入も増えるというメリットが
あり、それを理由にハウスメーカーさんは営業したりします。
話を聞くにあたって、「ハウスメーカーさんからの事業計画書を用意してください」と言っておいたのですが、
何と、私が言った時点で事業計画書がなかったらしく
ハウスメーカーさんに問い合わせたあとに、出てきたとのこと
このとき既に高額の建築注文書にサインした後です
順番逆だろ~
と思いながら事業計画書を見たのですが、
ぱっと見て気づいた点は
○利回り(年間収入/建築費)がかなり低い(6%台)
→地域柄、高い家賃が見込めないことと、建ぺい率、容積率の関係から部屋数が取れないので
年間収入は低くなっているようでした。
○返済比率(年間借入金返済額/年間収入)がかなり高い(66%)
これはかなり危険だなと思いました
よくよく聞くと、1棟目も同じような内容でした
既存の税理士さんが付いていたようで、2棟目の建築には反対していたようです![]()
(理由は説明していなかったようですが)
さらに驚いたことが、1棟目の事業計画を見ると、
収入に家賃収入の他に給与収入(その方はサラリーマンです)が入っており
生活費も考慮されていたのですが、生活費の設定が給与収入の1/3以下という
かなり低い金額に設定されていました
つまり、(給与収入-生活費)が事業の収入にプラスされていて
手残りが残るという計画になっていました
当然に給与収入を外すと手残りはマイナスになります
ちなみに、この事業計画書は渡されただけで、ハウスメーカーさんからの
説明は一切なかったとのこと![]()
私は、2棟目の建築は白紙に戻すようにアドバイスしました![]()
この大家さんは、大手だからということでかなりハウスメーカーさんを信じきってしまって
自ら事業を行うという大事な検討をしていなかったという点では大いに反省する必要があると思います
ただ、それにしてもこのハウスメーカーさんの対応はヒドイと思いました。
建てることがメインかもしれないけれど、
大家さんは人生を左右してしまうくらいの大きな借金を背負っていくといことを忘れないでもらいたい![]()
せめて、事業計画の説明くらいはちゃんとしてもらいたい![]()
それと、(自戒の念を込めて)税理士は、建築に反対するなら、ちゃんと理由を説明しろ![]()
恐らくちゃんと理由を説明していたならば、反対を押し切ってまで建築することにならなかった
と思います。
相手に伝わらなかったら、相手に言ったことにはなりません![]()
ちょと熱くなってしまいました