国が値付けしている非課税アイテムの実態
第11回/18回
財務省の役人によれば、売価に上乗せする消費税の%は“理論上5%未満“のハズです。まぁ、薬価の場合は”仕入値=売価“という特別な事情に起因するので、それほど目くじらを立てませんが、問題はこの先。
“事実上5%フルに消費税を負担させられるなら、「非課税」ではなく、「課税」にすればいいじゃん。”
現在、我々が窓口で負担しているのは、既述のように676.4円。もしこれが“課税”となれば、薬価は32.2円安くなり、644.2円となります。そして、窓口で支払いの際に5%消費税分として賦課され、総額が676.4円。
“なぁーんだ、結局同じジャン”と思われますが、意味が違います。話を簡略化するため、薬価を、本体価格100円+消費税分5円=105円として考えます。
繰り返しとなりますが、“非課税”だと、“薬の価格=105円”、“課税”だと、“薬の価格x1.05=105円”ですね。“非課税”の場合、調剤薬局は免税事業者(保険薬だけを扱うと仮定)なので、納税義務はありません。
“課税”の場合、窓口で預かった5円に対して、納税義務があります。理論上、仕入でも5円を払っておりますので、納税額はゼロとなります。
しかし、薬価には“乖離”という現象が起こります。つまり理論上100円が製薬メーカーからの仕入値ですが、実際にはメーカーは“値引き”を入れています。他社製薬より自社製薬を使っていただく為、当たり前の経済行為です。そうなると、“課税”の場合には”薬価と実仕入価格の差=乖離による消費税の納税義務が発生する“訳です。
“乖離”という実態は、厚労省も認識しております。だから、数年毎に“薬価基準の改定”が行われるのです。ここから先は私の予想ですが、医師会では“ゼロ税率(後述)”を表向き主張していますが、具体的にゼロ税率が議論になった形跡はありません。また薬剤師会では、ゼロ税率すら主張されていません(あくまで私が調べた限りです)。
なぜだかは、皆さん想像に難くないですよね?
これが“国が値付けしている消費税・非課税のカラクリの実態”です。
(個人的には、この程度の“益税”で、免税事業者のデメリットが相殺されるとは思いませんが・・・・・)
<続く>