猫は3日で恩を忘れるという風に言われています。
飼い主であろうとも、仮に数日間留守にすると、もう覚えていないみたいなクールな態度を
されてしまいがちですが、猫は実際のところ、どれだけ前の出来事まで覚えることが
できるのでしょうか?
猫の記憶力は16時間というような説がある
らしいのですが、 犬の場合ではリードを見せると、散歩に出かけると認識して喜ぶなど、
連想記憶では割りと物覚えが良いみたいですが、一時的な記憶に対しましては、
2秒～3秒位から、どんなに長くても5分位までしか認識していないと言われております。
一方、猫は、16時間程度の記憶保持能力があると言われております。
一説には、犬などの群れで行動をする動物と違い、猫は単独で行動するので、、自分で自分自身を
防護する為にも、長時間記憶を保持する必要性がが高かったから、とも言われています。
ところが、猫はかなり気まぐれで、自らが関心の無いものに対しては、その記憶力を
発揮させない為、覚える出来事などによって、その保持力にも大差が生じると言われています。
猫が記憶力を発揮するとき では、どのような事態に猫は記憶保持能力を発揮させるのか、
と言えば、一つはエサに関係したことになります。
上記の16時間とでもいうべき根拠に至ったのもエサを用いてのテストではありますが、
このことは複数の同一形の箱を設置し、それらの内、電気が点いた箱の下にエサを入れて猫に記憶させる。
時間をかけずに電気を消した後、ある程度の時間を空けて猫がエサの備わった所に到達できるかといった内容のテストでありました。
結果として、猫は16時間が経ってからもエサの置いてある場所を思い出せた、とでもいうべき結果が現れて本能に極めて近いところについては、
猫は長期間にわたって記憶力を発揮させてるというような答えに至ったそうです。
私達人間の行動を学習をして記憶する
しかも、猫の知能は人間の子供の1歳～3歳程度と同じ位と言われていますが、観察・模倣し
試行錯誤の末にたくさんのことを身に付けられる能力を持っています。
例として、飼い主が出入り口のドアを開けていくのを見ることで、自分でドアノブを動かせて
開けられるようになれたとか、人間のトイレの便座に座って用を足したり、箱を押して動かし
踏み台にしてから目的の場所に上がるなど、道具を使う猫もいます。
それは普段の人間の行動を見て、開け方や使い方などを覚えていると考えられます。
ネコ缶を開ける音で、どの場所にいても急いでスッ飛んでくる、といった猫の行動も人間が
缶詰を開けたら、エサが食べられると言った感じで、人間の行動を注視し
結び付けて記憶しているのかも知れないです。
更に猫は不快なことはしっかりと覚えている。
エサが食べられる、といった猫からすれば、メリットである出来事以上に、猫はマイナス面と
なってしまうことに対してもはっきりと記憶しています。
不機嫌なことに対しての出来事を重要視して記憶しているのは、災難を避けるために必要な
大事な能力と言えます。
嫌悪感を与えられた出来事、虐待されるなど危ない目に遭遇したというような記憶に関して、
猫は非常に長い間覚えていると考えられます。
例として、クリーナーの音が怖い猫に、クリーナーを見せるだけで逃げ出すとか、爪を切ろうと
思って、爪切りを取り出しただけでも身を隠してしまったりなどは、嫌なこと、不快な事実を猫が
クリーナーや爪切りを元に記憶しているということを示します。
苦痛や嫌悪感を与えてしまうと、中々懐かなくなるのは、執念深いといったことではなく、猫自身が
己の身を守ることから、危険性の高いことを記憶している必要が生じるからです。
子猫の頃の記憶
猫の生後2週間~7週間は社会化期と言い、他の猫や動物達との関連性を理解するために
必要な大切な時期となります。
この期間に、人間や他の動物と共に毎日を過ごしたり仲良くしたりすると、そうした動物達も
仲間内と思い込む状態になって、元々 獲物と見なして捕まえるはずのハムスターや小鳥とも
仲良く過ごせることになります。
短い間に記憶している短期記憶を何度も何度も繰り返し積み上げていくことが、長いこと
記憶している長期記憶に結びつくのですが、何度も同一の動物や人間と接触することにより
猫の記憶にその存在が膨らんでいくようで、この猫の長期記憶能力は、チンパンジーと同一と
考えられています。
猫の生後8週は、人間の年齢で言うと、2歳に相当します。
人間が記憶している幼い頃の出来事は一般的に3歳～4歳頃からと言われているので、
猫はそれよりか早期の段階から起こった出来事を記憶することが可能と考えられています。
飼い主に関する記憶
家に帰ってドアを開けてみると、猫が入り口まで出迎えに来てくれて座り込んでいる、といった
ことが多々あります。
これについては、飼い主がドアの前にやって来るよりもずっと早くから、耳に入ってくる足音や
声などによって判断していることと思います。
猫は視力がそれほど良いとは言えませんが、嗅覚は犬と同じくらいに優秀なので、匂いなどでも
誰だかを見極めることが可能です。
こんな風に猫は、常に共に過ごして世話をしてくれる飼い主のことははっきりと覚えています。
どれだけ覚えているかは猫との繋がりにも関係してきます。
コミュニュケーションの不足している相手であれば、2ヵ月～3ヵ月というケースももありますし、
7年経過してても再会した飼い主を忘れないでいた、といった実例も見られます。
実際のところ、記憶力が抜群の脳を持つ猫 気まぐれで個体ごとの個性も強い猫は調査対象としては
そう簡単ではなく、記憶力に関係した調査結果もそう多くはありません。
しかしながら、猫が記憶力に長けている動物であると言うことは、日常的な行動からも、色々な
逸話などから見ても明確です。
猫の脳は、約9割が人間の脳と同じ仕組みになっており、記憶や感情をコントロールする
大脳皮質が発達しているので、感情が豊富で記憶力も優れていると思われます。
人間からすれば、猫のそのような特徴が他の動物とは違った猫の魅力に関連し合って
いるのかも知れないですね。