風に吹かれて




この時期、始業前に作業をして汗をかかなくなった

けっこう涼しくて気持ちが良い。

今朝は、いつもよりモア早起きして

2頭の愛犬が眠る、ドーベルマンのゲージを完全に分解・移動して

大掃除をした。


けっこうな抜け毛と多少の匂いがあるため

努めて・・犬「普通」の感覚で飼っている僕は、犬ニガテな方の気持ちが強く解る。

したがって、見た目も香りも自分を含めて

とっても気を使う部分だ。


犬の家は、簡単に壊せる

バラバラに崩せる

細かく切り離し掃除をしていると

別の意味で犬が不憫にも思えてくる


人間って、自分が置かれる環境や状況にはげしく反応し

正常化を求めてくる

健全なる想いを反映したくなる

すごしやい快適な空間を求めて

贅を極めたり質を高めたり。


雨風に、しのげるだけの造りで十分なはずなのに

満足のためだけに

ときには見栄のためだけに

アピールのためだけに

きっとあるのだろう。


普段使いの人々より、すこしだけデザインや建築に興味を持っているつもりの僕は

あれこれ思考を、めぐらす。


・・・・。

ただ犬って、どうだろう

与えられるまま

そのまま・・である。


なんとも簡単に済まされ心なしか可哀相に感じた。


よく言われる人間の子供や動物も

親と飼い主は選べないもの。

いろんな気持ちのまま掃除をしていて

おもわず振り返ると・・

犬達は、ジッと、そしてずっと僕を見つけていてくれた


そうだよねっ

彼らには「僕だけ」だもの

ありがとうね


それだけでも、僕は必要にされている。

君らのことも当然に愛しているよ

大丈夫だよ


・・・。




気がつくと肩越しに、秋風が吹き抜けていった。