丁度15年前、ハーバーランドでマジックのイベントに出演していると、と客席から出てきて突然名刺を見せられ「素晴らしいです!是非私達のプロジェクトに参加して下さい。」と言われまだ駆け出しだた僕は「よろこんで!」っと二つ返事にOKした。
 名刺には「神戸重度身体障害者父母の会」と書いていました。プロジェクトは「じゅうしん祭り」でお客様は重度身体障害者の方々でした。最初はどうしていいか分からず色々なネタを次から次に披露していました。
 そして気付いたのは、皆いつも喜んでくれると言う不思議な光景した。たいていマジックを2~3回見ると「あっ、わかったは、そっちのポケットやろ」とか、トランプを見せただけで「それ見たは!」とか(技量によりますが)「トラ出して」とか突っ込まれます・・・が彼らは、本当にいつもこんな僕のつたない芸でもよろこんでくれました。
 話は飛びますが一番の心の転機は「父母の会」の方から勧められた「フェーマス・ピープルズ・カンパニー」の講演でした。見事な舞台構成でブラックライトとマジックがテンポよく噛み合いそしてパペットが本当に生きているかのように匠の表現で障害者の日常や苦労を演じていました。舞台終了後、出演者達が舞台袖から一斉に出てきてビックリしました。障害者の物語を演じていたのは障害者の方々だったんです。
 結局、障害って何だろうって考えました。手足が不自由、言葉が不自由、・・・感動できない、人を信じれない、・・・。
 そんな事をずっと考えながら「じゅうしん祭り」に出演しました。アシスタントは友達(ダウン症)です。絶妙の間で演じてくれました。ステージであまりうけるので「俺ってこんなにマジック上手かったけ?」っと勘違いしてしまいました。
 数々の素晴らしいアシスタントに恵まれた僕は最高に幸せです。


                                        ・・・つづく