　北鎌尾根を登る　　１７，９，１０　　　　(続き）

　早く寝たこともあり３：３０頃には起きだして準備をする。まずは寝具類を片付けて朝飯を用意して食べ、テントを撤収と一連の流れを手早く済ませる。まあ明るくなり始める前頃と決めていたので結局歩き始めたのは５時頃だったようだ。５時を１０分も過ぎる頃にはヘッドランプは要らなくなった。

　５：２５頃には二俣を通過する。例年では右俣には水がないことが多いのでここで水を汲む。しかし今年はかなり上のほうまで水は流れていた。

　３０分近く遡ってもまだ豊富に流れている。

　　石が大きくなり水が少ない滝も頻繁に出てきて要するに基本沢登りでなかなか大変である。Ｊさんの尻押しをするような小さいが結構難しい滝もある。

　大分詰めてきたかなと思えたのだがまだ６：３０頃。まだまだ先があった。

　さらに３０分ほど進むと沢の中にある島のような木の生えた岩が見えてくる。この島の右手の沢を進む。近くなってきて７時頃。

　これを過ぎると開けた感じになり沢がまた分岐する。その中間にある取り付きがザレた尾根を登ると北鎌沢のコルに着く。７：２０頃だったから目安の２時間半は掛からなかったが朝一結構大変である。ここはテントを張れるスペースがある。木の間の向こうに三俣蓮華方面が見えた。確かに前日ここまで頑張り朝の一仕事を省略できるなら北鎌尾根登りも大分楽になるだろう。それをするにはやはり前日横尾か槍沢ロッジまで入ってなくては私たちには現実的ではない。

　７：３０頃からコルから踏み後を追って急坂を登っていくと赤茶けた硫黄尾根の向こうに三俣蓮華方面の展望が開ける。

　小ピークを越えると独標がドンと高く聳える。７：５５頃。

　北鎌沢のコルの下の北鎌尾根、Ｐ７以下が良く見える。これも相当のアップダウンで、千天出合から登るクラシックルートは更に大変なものだろう。

　小岩峰を越え、鞍部を越えしていくと前方に猫耳岩らしきとその先のハイマツのピークが天狗の腰掛（Ｐ９、２７４９ｍ）らしいので、これを撮っているピークがＰ８かもしれない。８：３０頃。

　（基本的にこれから先も岩峰が林立しているので解説・地図に示される各ピークがどれがどれやら良くわからなかった。はっきりしているのは独標・Ｐ１０とＰ１５くらい。）

　猫耳岩、８：４０頃、にはテントスペースがある。展望もいい。

　それから５分後くらいが天狗の腰掛（Ｐ９）らしい。振り返る岩が猫耳岩かな？

　ともかく林立する岩峰を巻いたり越えたり進むと独標の向こうに槍ヶ岳本峰が少し見えるところがある。そして顕著な岩塔を通り過ぎる。振り返れば天狗の腰掛と猫耳岩らしき。９：１０頃。

　そして独標（Ｐ１０）取り付きの衝立岩（これも岩塔）の前。９：２０頃。北鎌沢のコルから２時間弱だった(２時間半が目安だからわりと早かったことになる）。この直前追いついてきた単独行のおっさんはなんと朝ヒュッテ大槍を出てきたという。東鎌尾根を降り水俣乗越から北鎌沢出合に出て北鎌沢を登ってきたことになる。この小柄なおっさんもめちゃくちゃ凄い健脚だ。おっさんは少し腰を降ろしただけでさっさと巻き道ルートを進んでいった。

　衝立岩を左に回り込めば直登ルート、右に回り込めば巻き道ルートがある。

　　(続く）

槍ヶ岳・北鎌尾根 ２

槍ヶ岳・北鎌尾根　２