　　妙高前山、山スキー　　１６，３，１３　　（続き）

　　今日は妙高前山である。宿近くの赤倉温泉スキー場に行く。
　今日も天気はまあまあのようだが妙高山は雲に覆われている。
　ホテルの上、山の霧氷が真っ白できれいだ。さすがに夜は冷え
　こんだのか。

　　ゴンドラとリフトをに乗り継ぎスキー場のトップに着く。これで料金
　￥１８００と高め。ここでシールを装着し登り始める。

　　スタート９：１０頃。

　　気持ちのいい樹林帯を登る。

　　今日も行動するにはかなり暑く直ぐに温度調節。

　　９：４０頃には斜度がきつくなり始める。この辺はダケカンバ帯。

　　１０時頃になると斜度はいよいよ急になりシール登行が難しくなる。
　まだ山スキー教室で練習を開始したばかりの人もいるので大分苦
　労しているようだ。シールが滑ると思うとなかなか体重移動が上手く
　いかないものだ。滑ると感じる場合は、意識的に板を雪面に叩きつ
　けるように降ろす。この降ろす瞬間にシールの毛羽を立てるつもりで
　板を少し後に引く（感じで）。滑らないと感じられればしっかり板に立
　つことが出来るはずだ。
　それと人が登った跡は滑り易い。意識的に新雪面に出て登ると登り
　やすいのだが慣れないと難しく感じるのかも。

　　さらに難しいのが急斜面でのキックターンである。これは相当な
　ベテランでも苦労する。とりわけ後ろが崖のような場合は心理的にも
　怖いので板を真横にして上側の足を目一杯開いてしまうことが多い。
　しかしこれだと下の足を引き付けるのが酷く大変で大概ここで失敗し
　てしまうようだ。
　一つはいわゆる抜き足ターンで切り抜けるかだが足を開いているの
　は同じなので慣れないとこれも出来ない。

　　問題は足の開きすぎであるから、軸にする下の足も出来るだけ立
　てていき、足を開く角度を小さくする工夫をすることである。このとき
　板を立てていくのが怖いのだが、登りの場合と同じように毛羽を立て
　る感じで板を叩きつけ、ストックを後ろに付き支えながら小刻みに板
　を立てていく。（このときエッジを立てないことだ。）
　そして自分に出来る最大斜度に立ちこんでから足を開けば引きつけ
　る角度が小さくてすむから楽なのである。
　ある程度斜度が緩い場合は足を小刻みに廻して行き丸くターンする
　ことはできるはずで、このとき徐々に板を立てていくことは出来ている
　と思う。これの応用だ。まあこれもシールの具合に慣れるしかない。

　　急斜面の途中でリーダーもスキーアイゼンを装着しようかとちょっと
　迷っていたようだが、装着したほうが良かったようだ。

　　一番怖い場所でやはり転倒してしまった人がいた。（転倒後少し
　滑り落ちたらしい。声をかけると直ぐに返事があったというので一
　安心したが、何か探しものをしていたようだ。）
　このときリーダーは先に進んでいたし、私も途中で追い越していた
　ので手伝えなかったが元に戻るのにかなり苦労したらしい。
　キックターンをやる場所も先の人たちがやった場所にこだわること
　はないのだが、新しく場所を選択するのもなれない人には難しい
　ことなのだろう。勉強中の人には厳しい試練だったと思う。
　

　　先に進んでいたメンバーは途中で後ろが登ってくるのを待った。
　なにやかや３０分くらい待ったが転倒した人はここまでの登りの難し
　さと、転倒後元に戻るのに精力を使い果たしたか、とうとうここで登
　りをギブアップしたらしい。
　これからもまだしばらく急斜面なので仕方ない。
　この連絡が付いたところで、先に進む。もう１０：４０頃。

　　急斜面しばしで山頂に続く細い尾根を登るようになる。
　細尾根の始まりでここから燕温泉の方に降りるらしいボーダーの
　若者２人が「山頂まで行くんですか？」と声をかけてきた。年寄り達
　が頑張るもんだと思ったのかもしれない。
　昨年の写真と比較すると雪が少ないのでこの尾根が一段と細い。
　滝沢尾根のほうはブッシュが酷いという情報で、今日はこの尾根を
　降る予定だ。それにギブアップして途中で待っている人もいるから
　ここを降るしかない。しかし登るには問題なくても小回りも出来そう
　もない細尾根で降るのは難しそうだ。

　　１１：２５～３０頃山頂に到着した。このときちょうどガスが取れた。

　　ダケカンバの向こうに昨日登った黒姫山が見える。

　　噴煙の立ち上る源泉の右手に妙高山スキーのもう一つの山、
　三田原山が見える。

　　野尻湖が下に見えその傍の山は斑尾山のようで、その奥に壁と
　なって連なるのは白根山から岩菅山、左武流山、苗場山、鳥甲山
　とかいった山々らしい。
　そして目の前にあるのが滝沢尾根だ。尾根の様相からしてブッシュ
　だらけ。これでは降っていったらもっと酷い藪だろう。

　　ちなみに昨年の滝沢尾根です。ブッシュなんか何処にもないです。
　ここも細い尾根ですが気持ちのいい斜面でした。
　１～２ｍを越すほど雪が少ないのではないだろうか？

　　さて休憩がてらシールを取り滑走面をきれいにしてワックスを塗る。
　１１：５０前頃には降り始めたと思う。
　滑り始めも狭い山頂からでルート取りが難しい。直下の細い尾根は
　小回りも出来ないのでほとんど尾根トップか側面を横滑りで降りる。
　小さいターン横滑りの繰り返し。これもしっかりエッジが効くから問題
　なく快適に滑れた。
　細尾根末端にはまだ先ほどの若者達がいてこれから燕温泉に降り
　始める所だった。

　　細尾根を終わり急斜面に入る。ブッシュが多く細かなターンとこれ
　をやり過ごす横滑りを多用しながら降る。降りでは斜度はそれほど
　気にならない。それでもある程度のスピードで枝の張り出しを突き抜
　ける時は「バシッ」と音がするほどでヘルメットを被っていて正解です。
　少し広いところがあれば快適である。
　１２時前頃に途中ギブアップした人と合流し一緒に降る。
　樹林は密でも雪質がそう悪くないのでその後も快適に滑れた。
　

　　１２：１０にはゲレンデトップに着いた。
　このトップからはゲレンデコブ斜面。その左手の樹林帯の中も滑れ
　そうで中に入ってみる。なかなかいい斜面で結構皆が滑っている
　ようだった。もう一滑り樹林を縫っての山スキーの滑りを楽しめた。

　　この下はゲレンデに出てコブ斜面の最後を滑り、その後はゲレンデ
　を滑り降りる。ゴンドラで登った分だから結構長いゲレンデだった。

　　１２：３０過ぎにはゴンドラ始発点に着いたようだ。

　　宿に帰り荷造りをして帰京の準備。
　宿のおかみさんがお昼代わりにとおいしいおこわを出してくれた。
　とても親切な宿だ。
　荷造りが終わりおかみさんに見送られて帰京です。
　最後の最後関越道が事故渋滞して大分時間が掛かったが、まあ
　良いことばかりとは行かないから仕方がない。

　　結局今日も１日天気も崩れることはなく楽しめた。
　今日は前山の急斜面のシール登行で苦労したけれど怪我もなく、
　１人を除いて山頂を踏めたし、降りもブッシュには悩まされたが、
　雪質はそれなりによく結構滑りを楽しめた。
　黒姫山では新しい斜面をリフトを使わず、４時間もの雪山シール
　登山を楽しめたし、ほどほどの雪質の斜面を滑れた。
　２日間とも楽しめたし天気も持ったし、雪が少ない中ではなかなか
　いい山スキー行だったと言えるでしょう。

　　私は新調した山スキー道具を試して十分使えそうと確認できた。
　板が新しくよく滑り、エッジもキレキレでターンや横滑りが思った
　以上に安定しじつに気持ちがいい。今まで用具を疎かにしすぎて
　いたようだ。シーズンの区切りにはチューンナップして大切に使わ
　ない限り、楽しい滑りは望めないということが良くわかった。
　　用具がボロで山スキーの情熱がしぼみかかっていたのですが、
　お陰で山スキーに新たな意欲が湧いてきましたので私にとっては
　実に有意義な山行となった。

　
　

黒姫山、妙高前山 ２

黒姫山、妙高前山　２